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人間の知能は大半が遺伝要因?


人間の頭の良さは、否定的な人でも50%が遺伝によるもの。肯定的な学者の場合は70~80%ということらしい。

そしてこの頭の良さはは、その人の収入の多さに比例するというのが定説だ。

ただし、経済的にも環境的にも勉強しやすい状況を用意しなければそれぞれの子供の能力はスポイルされたままとなってしまう。

つまり、いくら先天的に知能の高い子供でも、育つ環境が勉強できる環境でなければ、その才能は伸ばすことはできない。そして我慢する能力、努力する能力という意味での知能も兼ね備えていればなお強いらしい(こうやって考えるとスポーツの才能も知能も同じ感じですね)。

結局の所、経済状況の良い親(遺伝的に有利)のもとでは、遺伝的にも環境的にも、その次世代の収入は良くなる確率が高くなるということ。

そうやって、社会階層は固定化していくのだろう。

一方でこの理論に当てはまらない50%~30%の人で、知能は高いのに経済環境の悪いせいで収入を得られない場合もある。ココがポイント。

やはり教育含めた機会平等をしっかり国家が保証しないと、階層が固定化してしまい、歴史が証明しているように、国家を衰退に向かわせてしまうだろう。

ちゃんとした環境を整えてあげれば、あとは遺伝の影響が70%ということだが、では「平均的な」アシュケナージ系ユダヤ人(ドイツ・ポーランド・ロシア系)・東アジア人の賢さや、アフリカ系黒人・サハラ以南アフリカ人の知能の低さは、何が理由なのか?

これは遺伝ではなく、環境のせいのようだ。著者ニスベットは、格差の激しいアメリカ合衆国において、先天的能力で知能は殆ど決まると信じているアメリカ人に対して、黒人やヒスパニックなどのマイノリティーもちゃんとした教育環境を与えてやれば、白人や東アジア系アメリカ人と同等の教育水準になることを科学的に証明し、それをアメリカ社会に広く認知したかったのだろう。

WOWOWでかつて放映していたドラマ「ボード ウオーク エンパイア」という1920年代禁酒法時代のアトランティックシティを舞台にしたギャングドラマでは、チョーキーという黒人の親玉が登場するが、あの時代以前の北東部の黒人は、南部の奴隷黒人と違い、ある意味アイリッシュとも同格程度の社会的地位だったらしい。つまり下層階級だが、奴隷ランクではないということ。ドラマでも黒人社会がアイリッシュ社会と同等に対抗している様子がみえる。その頃の黒人の教育程度もそれなりで、決して現代のように、黒人・白人の2系統ではなかったようだ。

でも、根本的な人間の知能の違いは70%が遺伝。上記のように黒人や発展途上国のもともと知能の高い子供にとってはまさにその通りですが、特に先進国の富裕層の出来の悪い子供にとっては「努力してもそのひとなりに」ということだから、これはこれで悲しい現実ですね。

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