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移住者が田舎に求めるもの、田舎が移住者に求めるもの

どうもゴイダチグトセです。川上村は毎日めちゃくちゃ寒いです。
さて、田舎でまったりスローライフ。魅力的な響き。ですが、実際はどうなんでしょうか。
僕自身、田舎にそういう憧れを抱き、実際にいくつかの田舎に住んでみて、わかったことをまとめようと思います。
田舎暮らしに憧れる人は参考にしてみてください。


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目次
●地方移住者の3類型
●移住者が田舎に求めるもの
●地方(田舎)が求める移住者
●いざマッチング
●まとめ
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●地方移住者の3類型
地方移住とひとくちに言っても、移住者の要望によってざっと3パターンほどに分類できると思います。
①その田舎の慣習に従い、新たなその土地の人間として生きていく。
 ガチのやつですね。都会に出ていた小せがれが実家に戻って農家を継ぐ、なんていうのもこのパターンに含まれます。

②田舎の人間と関わるが、あくまで移住してきたよそ者として暮らす。
 定年退職後、ある程度資産に余裕のある老夫婦など、都会からのIターンを希望する人はだいたいこのパターンだと思います。

③田舎に住んで、周囲とは極力関わらず、静かな暮らしをする。田舎に引きこもる。
 仲のいい友達何人かで一緒に移り住んだ場合も、これに含まれるものとします。


●移住者が田舎に求めるもの
①はどういう人びとかというと、別に都会がイヤになったわけではないけど、田舎でどうしてもやりたいことがあってやってきた、確固たる信念とこだわりをもった熱くて真面目な人びとです。
彼らが求めるものは、安定した生活基盤、仕事の斡旋などの生活保障、手厚い補助や、信頼関係で硬く結ばれたコミュニティなどでしょう。

②はどういう人びとかというと、余生を田舎で過ごしたい老夫婦や、田舎の雰囲気に憧れて都会からIターンする人びとです。
彼らが求めるものは、田舎特有のゆるい人間関係、ほどよいコミュニケーション、ゆったりとした時間感覚や、穏やかで静かな環境などでしょう。

③はどういう人びとかというと、都会生活が合わなかった、あるいは飽きてきた、またはイヤになった人びとです。ちなみに僕自身は、ここに入ってました。
彼らが求めるものは、都会ほど生活費がかからない低コストな生活環境、人目を気にせずのんびり活動できる環境、対人的なストレスに悩まされない環境などでしょう。


●地方(田舎)が求める移住者
①の人びと……渇望されています。どこの田舎も、この若者のような、その土地に深く根付き、生涯住み続け、生涯そこで働き、結婚して子どもを増やし、その土地の未来を担ってくれるような力強い人材を、喉から手が出るほど欲しがっています。

②の人びと……どちらかといえば①の人びとに来てほしいのですが、それでも人口が増えること自体は良いことなので、歓迎はされています。

③の人びと……想定されていません。あるいは、何かよからぬ騒動を起こすのではないかと警戒されています。


●いざマッチング
①の人びとは、地方(田舎)の人びととニーズが噛み合う可能性がとても高く、ウィンウィンの関係を築きやすいと思います。
住人からは本当に手厚く、また田舎ならではの暖かさでもって歓迎され、さっそく区の役員や消防、隣組、牧柵の班決め、青年団、農協などさまざまな会合であっという間に忙しくなることでしょう。また自治体も、①の人たちの獲得に向けて力を注いでいるので、望んだものは実現されやすいです。

②の人びとは、住んでみてやはり、思っていたのと違ったり、思うようにいかなかったりすることが多少はあるものの、自分の中で折り合いをつけたり妥協したりすることで、ある程度望んだ形の暮らしを手に入れることができているようです。
長野の田舎に移住してきた2組の夫婦と知り合いになり、お話を伺ったのですが、当初はのんびりした生活を送るために越してきたのに、周囲の人たちから野菜の作り方を教えてもらったりするうちに、今ではすっかり本格的に野菜を育て、本格的に出荷することになってしまったそうです。それでも健康維持のためにはいいから結果オーライなのだとか。

問題は③の人びとですね。おそらく、望んでいた暮らしは実現しません。
まず、田舎に移住しても手に職がない場合、結局最寄りの街までマイカーで通勤しなければならず、ガソリン代がバカにならないので生活費はそれほど下がりません。また、田舎に住めば人目が気にならない生活が送れるような気がしますが実際には完全に真逆で、具体的に何かアクションされるわけじゃなくても周囲から常に監視されてる感はハンパないです。これに関しては、都会が一番ストレスないです。最も人目が気にならない環境とは、都会だったんですね。


●まとめ
そんなわけで、田舎に何を求めどんな態度で接するかによって、歓迎されるか弾き出されるかのグラデーションが生じます。
③の僕は望み叶わずといった感じでした。僕はこれまで大分と兵庫と長野、3県の田舎に住んでみましたが、おそらく全国どこでも、悲しいかな、③が歓迎されないのは変わらないのかなと思います。③の人びとが今後どうすればいいかというのは、ひとつの面白い課題だなと感じました。

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