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自分の身体と向き合う〜コンディショニングトレーニング

ランニングの指導と併用してコンディショニングの指導も行なっています。
主な目的は故障予防と目的のパフォーマンス向上です。

コンディションを現在の状態と考え、その状態をより良い状態することがコンディショニングと考えるといいと思います。

シンプルに言うならこんな感じです。
・まずは身体の各関節を動くようにしましょう。
・動くようになったら自分でその範囲をコントロールできるようにしましょう。
・正しい姿勢でバランスを崩さずに動きましょう。
・目的に応じて必要な筋力強化をしましょう。

コンディショニングのスタートは2つの観点から身体評価からです。

可動性:関節の動く範囲
安定性:関節の動く範囲を自身の力でコントロールする

ここまでは関節の可動域があってほしいという基準点を用いて(個人の目的、特徴によって異なる)可動性、安定性があるかどうかをチェックします。
2つの主な違いは受動的に動くと能動的に動くことです。
他人から動かしてもらえば関節は動くが、自身の力では動かせないような状態を「可動性はあるが安定性はない」と考えます。

どんなストレッチ、エクササイズがいいのかを先に考えるのではなく、どんな問題があるかを先に理解する。問題点への対処法としてどのストレッチ、エクササイズを用いるかを決めます。
身体評価で自身の状態を知ることが大切です。

ここまでは一つの関節の動きに注力を当てています。しかし人間の動きは各関節が連動することで成り立っています。
そのため一つ一つの関節の動きを良くすることと、連動する動き(歩く、走る、跳ぶ、投げるなど)を良くする事には違いがあります。

先に各関節の可動性、安定性を理解しておく理由は、連動する動き(複数の関節が同時に動く)を行う際にうまくできない動作があると、その動きを制限する要因を絞るのに役立つからです。
例えばスクワットの動作を行い深くかがむことができないとします。その時に足首の可動域が狭いことを先に理解していると、「足首の可動域が狭いので膝を十分に曲げることができない」など考えられる予測を立てることができます。(立った状態で膝を曲げるには足首と股関節も動くため)

このように実行しようと思った運動種目が今すぐにはできないと分かると、バリエーションを変えるなどすぐに対策を取ることができます。もちろんできない理由はさまざまで感覚のズレ、動かし方をわかっていない、などその場でフィードバックを受け練習することでできるようになる場合もあります。
まずはその日に修正可能な動きの問題か、時間をかけて取り組む動きの問題かを理解する上でも初回の身体評価は役に立ちます。

連動動作を行う上ではコア、バランス、筋力強化の大きく3つの要素で進めます。
プランクと言ってうつ伏せの状態で両肘をつき、腰を持ち上げる動きが体幹トレーニングのイメージとして思い浮かべやすいかもしれません。
もちろんプランクも体幹トレーニングの一種です。
お腹周りを鍛えるイメージが強くあるかもしれませんが、体幹トレーニングの主な目的は体幹を安定させた状態(背中が丸まったり、腰を反ったりしないで)手脚を動かすことです。
強化はもちろんですが、お腹周りに力を入れるタイミングなども大事です。

バランストレーニングは立った状態で動作を行います。
片足での動作が主となりますが、とにかく肩足立でバランスを取ればいいというわけではありません。バランスと聞くと何か不安定なものの上に立つイメージかもしれませんが、基本は足裏全体に均等に体重を乗せて、手足の関節を動かします。
様々な姿勢をとっても重心の位置をずらさない、足裏全体で体重を乗せておくことが大事です。

筋力強化ではスクワット、デッドリフトなどの全身を使ったウエイトトレーニングを行います。
個人の目的によって負荷のかけ方、回数、頻度、練習のタイミングを調整します。

「このストレッチ、エクササイズをやってください」などの種目の紹介なら調べれば誰でもできますが、指導をする上で難しいのは正しく動作を見ること、何がうまくいっていて、何がうまくいっていないのをきちんと理解することです。
その上で相手が正しくできるように導き、コンディションを良好にする必要があります。

また難しいのコンディショニングの場で動きが良くなったと目的の運動の場でよくなったにも差があるため両方を見ながらその間をつなげていくことも大事です。

「この運動をやればすぐに問題解決」ということはありません。
日々自身の身体と向き合い、コンディションを整える必要があります。人間の身体に備わった関節の動きに不必要なものはありません。自分の身体を動くべき方向に正しく動かせる。スポーツのパフォーマンスの観点だけで考えず、健康な身体を維持する上でも大切なことです。

負荷をかけて強くなるものは負荷をかけないと弱くなる
動かすことで精度が良くなるものは動かさないと悪くなる



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