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決して万人向けではない「ランジ」を万人向けにする最善の方法とは?

はじめに

ランジは、初心者から経験豊富なアスリートまで、幅広く取り入れられる効果的なエクササイズです。
最近は特にシニア層に対して「ランジ」の有効性が叫ばれるようになり、取り入れる流れが加速しているようです。

しかし、ランジには一定の技術が求められます。

不適切なフォームで実施すると、膝や腰への負担が大きくなる恐れがあるため、特にシニア世代の方がいきなりランジから始めることはおすすめしません。
またその場で足を前後に開いたエクササイズもランジだと思っている方も多いのですが、それはもしかしたら間違った解釈かも・・・

それも含めて、今回はランジのメリット・デメリット、そして導入の方法について書きます。
ぜひ最後までお読みください。

ランジとはなにか?

「ランジ」とは両足が揃った状態から、一方の足を特定の方向に踏み出し、もう一方の足を元の位置に戻す「踏み込み動作」を意味します。
語源はフェンシングの踏み込みながらの「突き刺す動作」を表す「Lunge」です。

「ランジ エクササイズ」は踏み出す方向によって、「ステップフォワードランジ」、「ステップバックランジ」、「ステップサイドランジ」などのバリエーションに分類されます。
これらの動作は、特定の方向への移動を通じて、下半身の筋肉群に対して下記の「ランジのメリット」に書いているように、包括的なトレーニングを提供し、動的なバランスと筋力、安定性、可動性を同時に強化します。

ランジは、大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋を含む下半身の筋肉を効果的に鍛えるだけでなく、体幹の安定性と全身の協調性も向上させるため、運動パフォーマンスと日常生活の動作能力の両方に貢献します。

ランジのメリット

1. 下半身の筋力強化

大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋など、下半身の主要な筋肉群を総合的に鍛えます。

2. バランス能力の向上

一方の足で体重を支える動作は、バランス感覚を養い、安定性を高めます。

3. 可動性と柔軟性の改善

踏み込む動作は、股関節の可動域を広げ、下半身の柔軟性を向上させます。

4. 代謝の促進

多くの筋肉を使用するため、代謝能力を高め、カロリー消費量が高く、脂肪燃焼にも効果的です。

5. 機能的な動きの強化

日常生活やスポーツでよく使われる動作パターンをトレーニングするため、パフォーマンス向上に直結します。
特にランジでは片足を一旦空中に持ち上げ、それを着地し、その後筋の伸長性収縮により減速して脚を曲げるという局面があります。
この際の「衝撃吸収→伸長性収縮」のスキルの獲得が筋強化やパフォーマンス向上に役立ちます。

ランジのデメリット

1. 膝への負担

不適切なフォームやスキルが習得できない段階で実施すると、前脚の膝への過度な負担がかかり関節へのリスクが高まります。
特に上記の「衝撃吸収→伸長性収縮」の局面が一般的なスクワットとは異なる部分なので、段階的なスキル習得が重要です。

2. 安定性に対する難易度の高さ

初心者やバランス感覚が未発達の人にとっては、安定して行うことが難しい場合があります。

3. 技術的な要求

正しいフォームで行うためには、適切な指導と練習が必要で、間違った方法で行うと怪我の原因になり得ます。

4. 個人差がある

過去の怪我や現在の体の状態によっては、ランジが適していない場合もあり、個々の状況に合わせた運動選択が必要です。

ランジを行う際は、これらのメリットを享受しつつ、デメリットに注意し、適切なフォームと強度で実施することが重要です。
必要であれば、トレーナーなどフィットネス専門家からの指導を受けることをお勧めします。

スプリットスクワットのススメ

そこでお勧めするのが、ランジの前段階としてスプリットスクワットから始めることです。
スプリットスクワットは、両足を前後に開いた状態で行うスクワットで、ランジに比べてバランスを取りやすく、またランジのように足を一旦空中に持ち上げ、着地させる局面がないため、衝撃の吸収をする必要はありません。
そのため膝や股関節への負担を軽減できます。

このスプリットスクワットをマスターすることで、ランジを安全に、効果的に行うための基礎力を養うことができます。

スプリットスクワットの方法(基本的なやり方)

1. 足を前後に開く

一歩分前に足を踏み出し、もう一方の足は後ろに置きます。
左右の足幅は骨盤の幅を保ち、前後の幅は通常の一歩分よりもやや広めに開きます。

2. 背筋を伸ばす

背筋を真っ直ぐに保ち、体幹を安定させます。
この姿勢を保ったまま、運動を行います。

3. 上下運動

上体を直立したまま、ゆっくりと膝を曲げ、後ろ脚の膝が床に触れる直前まで下げます。
その際、前側の膝はくるぶしよりもやや前側に移動させます。
(基本的には膝がくるぶしの後方にならないようにしましょう)
その後、脚を伸ばしスタートポジションに戻ります。

これはあくまでも一般的なフィットネスレベル向上のための方法であり、各スポーツやフィジカルアクティビティのパフォーマンスを高めることが目的の場合、フォームの調整が必要です。

特に最近は対象者のレベルや目的に応じて、このように前後のスタンスを広く取り、前側の膝の屈曲を大きくするタイプのスプリットスクワッとランジが推奨されるケースもあります。

ランジへの移行

スプリットスクワットに慣れ、下半身の筋力とバランスが向上したら、次はランジにチャレンジしてみましょう。
ランジでは、踏み込む足をさまざまな方向に踏み出しながら、上下運動を行います。動作中は常に体幹と両膝関節の安定を意識し、正しいフォームを保つように心がけましょう。

まとめ

今回は「ランジ」の定義、特徴、そしてランジのリグレッションのエクササイズである「スプリットスクワット」について取り上げました。
次回はさらに踏み込み動作を伴うランジのバリエーションについて整理してお届けしますので、興味のある方はぜひフォローしてお待ちください。

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今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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