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みんなが知らずについやってしまう「プランクの問題点」とは?


はじめに

前回はプローンプランクに関して効果と問題点について書きました。
今回はその続きなので、もしまだの方は下のリンクからお読みいただけたら嬉しいです。

前回のnoteの最後にみなさんに質問をしましたが、今回はその解答です。


この2つの画像の「プローンプランク」にはQuestメソッドで見ると改善点が2カ所あります。

今回はそのうちの1カ所にテーマを絞って書きます。

ほとんどの人がやってしまうプランクの改善点とは?

結論から言うと「床についている手の形」です。

多くの人は「プローンプランク」の際に

こんな風に手を握りその小指側を床につけたり

両手を握り合ったりする人が多いのですが・・・

もちろんこれが間違いだとは言いませんが・・・
体幹を含めた全身を連動させた安定性を高めるためにはもっと効果的な「手の形」があるのです。

手の形で全身が変わる!

それではこの画像を見てください。

ご覧いただいているように、指を広げ指も含めた手のひら全体を床に押し付けるようにしています。
これがQuestおすすめの「プローンプランク」での手の形です。


特にプランクの際に全身を統合して力を入れる感覚が掴めない初心者の方ほど、この手の形を意識的に行ってほしいのです。

プランクで手のひらを開いた方が良い理由

それは人の手のひらや指の腹には多くの固有受容器と呼ばれるセンサーがあるからです。

人は他の哺乳動物とは異なり、新生児の時にできる動作がほとんどありません。
よく「馬」は生まれてすぐにヨロヨロしながらも立ち上がると言われますが、人は立ち上がるまで1年近くかかります。

それはもちろん新生児の脊柱や頭部を支える筋肉、下半身の体重を支える筋肉が未発達だということもありますが、本来、人が一生で行うさまざまな動作のほとんどが「反射」ではなく「随意運動」(自分の意思により脳から筋肉などの運動器に命令を出して行う意識的な運動)であり、それを行うために筋肉に指令を出すための情報が生まれつき脳にはインプットされていません。

ですからその情報を時間をかけて少しずつ段階的に脳が習得し、それにつれて動きに必要な筋肉が発達し、大人のような動作に近づくのです。

一般的に新生児が大人になって行う動きの原型を身につけるのに1年半ほどかかると言われています。

その間にある意味何もインストールされていない脳に対して情報収集の役割をしているのが、全身に分散されているセンサーである「固有受容器」なのです。

「手」は最優秀の情報収集センサーである

このイラストは体の各部位と連動している脳の領域の面積を、各部位の大きさで表現したものです。

見ていただくと分かる通り、脳の感覚野でも運動野でも手と指が占めている領域が大きいのが分かると思います。

つまり「手と指」は器用に細かい作業から、強い力を発揮する作業までができるのと同時に、センサーとしても敏感により多くの情報を感じ取り収集することができる器官だと言うことを表しています。

だからプローンプランクの際に指を大きく開いて手のひらを床につくことで、「5本指」+「手のひら」という6つのセンサーが働くことになります。

これによって脳は「体を支えるためにいかに全身の筋肉の統合が重要か」を感じ、それに見合った活動をするように筋肉に命じます。

しかし手を握って小指側を床につける形では、全身の重さを感じる指と手のひらのセンサーが働かないため、情報が少なく、その分脳は全身の筋肉がどれほどの力を発揮必要があるのか、細かいデータがないため、筋肉への命令が滞るわけです。

それによってプローンプランクで参加する筋肉が少なく、強い安定性を作り出すことができません。

これではスキルを身につけるトレーニングとしてはベストではないわけです。

だからこそプローンプランクの際には指を大きく開いて、手のひらを押し付けることが重要なポイントなのです。

実験することもできます

実はこの「指を開いて手のひら全体で押した方が全身の安定性が増す」と言うのは、立って二人組になって試すとすぐに分かるのですが、いつか実際にやっている動画とともにこのnoteでも説明したいと思います。

最後に

今回はトレーニングの際にあまり詳しく言及されない「プローンプランク」の手の形について、理論的にご説明しました。
今後も一般的には知られていないトレーニングや体の使い方のポイントについて解説しますので、少しでも興味のある方はフォローをしてお待ちください。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました!

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