Conflict

高校からの帰り道、雲がかった夜にため息をついて歩く。
漠然とした葛藤を抱えながら、身を狭め、気配を消して。
高校にいると青春を感じるんだよな。男女が仲良くお話なんかしてさ。
俺にもそんな日が来るんだろうなんて戯言。
決して周りに女子がいないわけじゃない。もはや部活に女子は多い。
でも女子とうまく話せない。男子とは話せるんだけど。
なんか女子って怖いんだよな。陰口言われているんじゃないかとか、実は笑われているんじゃないかとか思っちゃって。声すらかけられない、輪にうまく入れない。廊下で女子に会ったときにもどこを見ればいいのかわからない。顔?床?どこか真っすぐ?何が正解なんだ?
自分の性格に癖があるのかなぁ。でも没個性になるのはどこか気が引けるし、でも個性が強すぎるのもよくない。もうどうしたら…。

アスファルトと靴が擦れあって、靴底が呻く。
Spotifyで夜っぽいからって「Vinyl」を聴きながらも、目に入る男女のペア。交際という波に乗れない青二才。また比較して俯く。なんで俺はこうなんだ、心の中で雫を落とす。

"気の済むまで暴れなよ、哀れだろ?むしゃくしゃするぜ”

イヤホンから聴こえる世界と自分の世界が混同して自己陶酔する。髪の毛をぐしゃぐしゃにして、ちょっとだけ色気づいた大人ぶって、少しだけアンニュイな雰囲気を醸しながら、踏切を渡っていく。


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