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息吹を込めて

ほげほげと日々を過ごしたいなと願いつつも
ちょっとセンチメンタルでナードな文章を書くことがエモいぜ
なんて考えて気がついたら
自分の中の深淵と向き合っているなんて結構あること
目が合えばそこで足を引っ張られ
奈落の底に落ちてしまうか
それとも一晩寝て忘れてしまうか
圧倒的に後者が逃亡者っぽくて好き
三十六計逃げるに如かずといったのは
かの有名な兵法の孫子
ちなみに「ほげほげ」とは茨城の方言で満ち足りているということ

人は満ち足りた幸せを目にすることは好きだが
手前の端末にあるスクエア型の小窓から
これでもかというほど他者の幸福を拝見しているので
胸焼けを通り越して飽き飽きしている
ここは欠落者の小話の一つでもないと
寝つきが悪いんじゃないかい

そうは言ってもクスっと笑えるトホホな体験談なんぞ
すぐに転がっている筈もなく
ボクは駄目人間だと思っていたけれども
ところがどっこい意外と自分は優秀なんじゃないかと
自己肯定を2割増しで感じてる
壮大な自己中心的な勘違いだ
矛盾しているが同時に太宰治の人間失格にも憧れている
恥の多い生涯を送ってきました
葉ちゃんのそんなところに惹かれている

人はいつか死んでしまうのだからという
身も蓋もない事はみんな知っていて
いちいち話題にすることも考えることもないだろう
そんな周知の深淵にガバっと首を突っ込むことが
なにかの禁忌を犯しているようで
心地良かったりもする



これほどまでに影響されまくる人も珍しいと自負するほど
ボクは外的要因に異常に影響を受ける
具体的に言えば映画や小説や音楽といったエンタテイメント作品たちだ
その昔ブルース・リーの「燃えよドラゴン」の上映後には
客の目つきが全員リーになっていたとことはよく聞く話
ボクも当時観ていたら同じような仕草になっていただろう
心理学的カテゴライズのところの
ハイリー・センシティブ・パーソンいわゆるHSPではないかとは思ったが
詳細な診断をしてもらったワケではないけれど
そもそも他人にそこまで興味を持っていないボクはおそらく違う

では何に惹かれているのかと考えたところ
「物語」そのものに惹かれていることに気がついた
太古からある神話も経典もすべて物語で構成されていて
何千年も綿々と飽きられもせずに読まれ続けている
物語は人を魅了する
ただの時系列を並べた年表ではなく
出来事をリアルに表現する、否 再生する
そこに文字や語り部が介在し物語に色を付け加えていく
時にはデウス・エクス・マキナのように神のごとく振舞い
時には抽象的な神託のように変化する
だけども根幹にあるのは手触りを感じられるリアリテイだ
岸部露伴が云うようにリアリティこそが作品に生命を吹き込む

ボクたちは世界に触れられることのできる手触りに飢えている
それはただの解像度が高いだけの情報の塊ではなく
いまそこにいるかのように感じることができる
躍動感を感じる程の物語の息吹だ



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