心地いい無意味さ

自分を貶める言葉を吐き出したくて。その上、それを誰かに聞いてほしくて。その理由は何だ?傷つきたければ自分一人で勝手に傷ついたらいいのに。
「慰めてほしいわけじゃない」なんて、そんな通らない話はないだろう。わざわざ聞いてもらいたがってるってことは、慰めを求めているんだ。
でもそれは違くって、とにかく吐き出した言葉を誰かに受け止めてほしかった。吐き出して冷たいアスファルトにぶちまけられた汚物みたいな言葉を、めまいの止まらない視線で孤独に見下ろすことが耐えられなかった。
俺が俺をどう思っているのか、誰かに受け止めてほしかった。他人がどう思うかなんてどうでもよくて、ただ勝手に苦しんでいる俺の背中に手を当てて、ぬくもりを伝えてほしかった。
俺が自分を愛せなくても、強い否定に引き裂かれたとしても、側にいてくれるってことを知っていたくて。

俺の愚かさを、俺よりもわかっていてほしい。
愚かでもただ静かにそばにいてくれるあなたを、信じられる人生であればいいと思った。

「僕だって、君にとっては何でもないことが辛かったりするんだよ」

救いのように差し込んだ光、闇の中で方向も見失って転がる俺にとっては、唯一視線を向けていられる場所。
その手の中にあるものの重さは、それぞれの感じ方に依存するのみだと。わかっているはずなのにいつだってわからなくなるんだから。

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