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新卒で入社。洗礼という洗脳を受ける

僕は今ベンチャー企業の営業職についている。

業務内容というよりは、
ここの人たちと一緒に働いてみたい
という理由で入社した。

給料は安い、残業代なし、ボーナスなし、
有給あるけど取れたもんじゃない。

そんなところでも満足できると思っていた。

そんな思いとは裏腹にら
会社を続けていくうちにコンプレックスも大きくなっていった。



入社してすぐに、僕ら新卒組は研修合宿に
強制参加させられる。

そこでは、社会人とはなんなのか、
どれだけ厳しいのか、学生気分のガキ供を木っ端微塵に叩きのめして、
社会人としての心得を習得するというものだ。

それは、社会人になったはじめての洗礼
というよりは、会社の駒になるための、

「洗脳だったのかもしれない。」



研修現場について、まず始めに受けた研修は、

「怒鳴られることだ」


なぜ怒鳴られたかって?

起立の号令に対して、
コンマ1秒遅れたからだ。

椅子を思いっきり蹴られ、
頭突きする寸前まで顔を近づけて怒鳴られる。


そのあとも、幾度となく怒鳴られる。
恥をかかされる。挙げ句の果てに、泣き言を言うと首にするぞと脅される。

そうやって、先に恐怖を植え付け、
抵抗できなくするのだ。


そして、朝9時に始まった研修は、

深夜1時まで続いた。
やっと眠れると思いきや、

次の日の起床時間は朝の5時。

遅れようものなら殺される勢いで、馬頭される。

2日目、行う研修は、
1日目に立てた目標を遂行するために、
チームごとに分かれて、勝負するというもの。

「何事にも一生懸命取り組む」

をテーマに始まった勝負。

それは、

「ひたすら大声で叫ぶ」

と言うもの。


「おはようございますー!!!!!!」


を顔を真っ赤にして、血管を浮き上がられて、
口から血の味がするまでひたすらに叫び続けるのだ。

参加者50名全員がマスの目状に並び、
大声で「おはようございます」を
連呼する。

中には酸欠で倒れてしまう人もいる。

倒れた人に対しても、
馬頭を繰り返す教官。

まさに、異様な光景、カオスだ。

その光景に違和感を持った新卒も数人いた。
教官に対し疑問を投げかけたら、

「なぜお前はやらない、みんなやっているんだ、
やって当たり前だろ。浮いているのはお前だ、仕事をそうやって選ぶのか?これは命令で、仕事だやれ。」

置かれている現状に流されていくしかできなかった。

これらは、ごく一部の研修内容であり、
どれも理不尽に怒られる。


会社の駒になり、成功した時の喜びは
とてつもなく快感になる。

思考回路がどんどん変わっていくのがわかった。

「死ぬ気で頑張ってみろ、死なないから。だからもっとやれ」

そんな、考えを植え付けるのだ。


そんな研修が
それが4日続いた。

平均睡眠時間は2〜3時間。

常に怒鳴られたり、恥をかかされ、
同期との喧嘩を強いられ、

疲労と睡魔で正常な判断ができない状態。


僕もその時は出来なかった。
大声を出して、怒鳴られる。

それでも先輩の期待に応えることが自分の生きがいのように感じた。

会社のためなら、何時間労働でもしてやろう。

駒であることを喜び、当たり前だと感じていた。

そして、研修が終わる。


正常な判断ができない僕たちは、

やり遂げた達成感と、
共に乗り越えた戦友たちとの別れの悲しみで
大号泣した。
怒号を飛ばしていた教官にも感謝をした。

また参加したいとも、本気で思ったのだ。

会社に戻り、配属が決まり、
働き始めた。
残業があり、給料が低くても、
今自分が働けていることの喜びが、
自分を満たした。

洗脳は大成功をおさめていた。

恐怖で支配して、冷静さ、判断力、時間、
全てを奪われ、矯正された先には、

会社という強者に搾取されるそんな人生が待っているのかもしれない。


これを読んでいる貴方。

手遅れになる前に、

一度正しい判断をして欲しい。

一度立ち止まって、

「俺は今、正常な判断ができているのか?」


時には、その状況から抜け出す事も大切だ。

勇気は多少いると思うが、

君の人生だ、搾取なんかされるんじゃない。


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