「寂しい」「人恋しい」と思う それは、あなたが過去に愛されたことがあるから。 食べたことのないものの味は分からない。見たことのないものの色は分からない。意味を知らない言葉は、使い方も存在も分からない。 愛されたことがあるから、また同じように、愛されたいと願う。

髪の毛が抜けて気づいた「本心」

大学四年生の秋、就職活動も根詰め時の頃。 私は、とあるウエディングの代理店でインターンをしていました。半年ほど経ったころ、社員としての採用を考えないか、と提案を頂きました。 承諾した私は、社員になる方が受ける研修に参加しておりました。これは、その時の話です。 「ウエディングプランナー」という職業は、兼ねてより目指していた業界のうちの1つで、私にとってやりがいのあるジャンルでした。 元々人と話すことが好きで、接客にも意欲的な私は、お客さまのウエディングに込められた思いに対し

「幸せだから、今死にたい」君へ

「私さ、今が幸せだから死んでもいいのよ。てか今より先は、凄く不安定になる予感がするの。」と、ユカが打ち明ける。時は去年の秋。男子禁制の『ティーパーティー』ならぬ、『もつ鍋女子の会』にて。 6人も集まった有志の中で、ユカと私は偶然隣り合わせになった。「「家に帰ってもご近所さんなのにね」」と2人で笑い合う。 「ぶっちゃけると恋人とは上手くいってる。てかそこそこ山も谷もあったけど。なんなら泣きじゃくりながら言い合いもしたけど、思い思われてるんだ。だからさ。」と、ユカ。沈黙。

実直な足取りに曇りなき眼。まるで山を登ることが生業かのように仕事の道を進む君に、私は遠くから尊敬と心配の思いを抱く。君はどうしたって気持ちを教えてくれないけど、たまに見せる「ちょっと焦ってる」顔や「少し落ちたトーンの声」の中にそれが現れている。不器用な人だ、でも素直な人だとも思う

「いいよ別に、好きにしなよ」と素直になれず意地を張る。あと少しだけ君が私に向かって優しく宥める声を聞いていたい。もう少しだけ、君がおろおろして甘やかしてくれるのを待ち望んでいる。 言葉にできないけど、頭の中でしっぽを振っている。

エクステでロングにした、ゆるゆるっと巻いた髪。夕日にあてられてキラキラと光っている。 そのどこか人工的な感じも、それを嬉しそうに「長くしてみたの、どう？」と笑いかけてくる君も、ぜんぶ好きだよ。 可愛いね、似合うね、オシャレしてくれてありがとう。僕ははにかむ。

2%の白と僕とカナメ

僕、変なとこで諦めが悪いんですよね。 これはウチの飼い猫にも言える話でして。 例えばソフトクリームを食べている時に、コーンの先っぽが、溶けだしてきたクリームのせいで「そろそろ破れそう、あ、でもまだいけるかもしれない」って時。「でも破れて手がべとべとになるかもな、どうしようかな、まだ上から食べ続けられるかもしれないけど、って時。 余裕で食べます。んで、ふつーーーに破れます。 最初は湿っ……程度だったのが、ペショペショになり、ピリッどろどろ……というプチ大惨事。 コーンを持

君を愛することで私は傷つく。君を優先することで私の予定は狂う。私が君によって揺さぶられて、再構築されて、新しく私になる。 そんな君を選んだのは、他でもない私だ。

寂しい、恋しい、懐かしい、色々あるけれど。「私は誰かに、『人』によってしか埋まらない隙間を持ったのだ」という自覚が1番心にくるんだ。人に傷つけられた跡を人が埋める。 どうあがいても、人によってしか、あの人によってしか埋まらない心の空洞をそっと見つめる。

怒っているのも可愛いと君が言うので、君に対して怒っていた気持ちも何だか抜けてしまった。ニコニコとしている君は、私よりもずっとのんびり屋なんだろう。

朝起きて雨が降っていて、「傘いるよ！寒くなるから気をつけて、行ってらっしゃい！」なんてLINEを送りたくなったら恋。「今日も頑張ってるね、応援させて」なら愛。

悲しみを吐き出せること。 特別な事だ。泣いたら手を差し伸べてくれる人がいる、それを良しとする環境にいる、泣くことを躊躇わずに出来る…… 「素直に感情を溢れさせられること」は、とても美しいことだ。私はそれが羨ましい。羨望と涙目とで、泣いて囲まれているあの子を見つめている。