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2%の白と僕とカナメ

僕、変なとこで諦めが悪いんですよね。
これはウチの飼い猫にも言える話でして。

例えばソフトクリームを食べている時に、コーンの先っぽが、溶けだしてきたクリームのせいで「そろそろ破れそう、あ、でもまだいけるかもしれない」って時。「でも破れて手がべとべとになるかもな、どうしようかな、まだ上から食べ続けられるかもしれないけど、って時。

余裕で食べます。んで、ふつーーーに破れます。

最初は湿っ……程度だったのが、ペショペショになり、ピリッどろどろ……というプチ大惨事。
コーンを持つ指に、つつつーーーーっとクリーム(液体なう)が垂れてきて、アアこれはベットベトのベトベトになるな、困ったナーなどと独りごちながらそれをじっと見つめる。

そんで、ポケットの中に入っていた半ば乾きかけのおしぼりで拭くんですが(新しいの貰え)、爪の間までは流石に拭きようもなく。すっかり勢いを無くして意気消沈しているコーンの亡骸を口に放り込むのです。ついでに指もペロリ、なんて。

ちょっとギリギリで生きすぎちったな、へへ。
と浮かれておりますと、口の中で、先ほどのコーンが「食べもんで遊ぶなボケ」と言っているのが聞こえる。こういう時の、失敗したんだけどどこか楽しかった時の高揚感を、ソフトクリームハイとでも名づけましょう。え?長いって?

すかさずウチで飼っている黒猫のカナメがひと言「んんナゥ」と。「で、頭は冷えたか?」だそうです。胃もギュルギュルだよ、オニーサンは。
カナメは僕が飼っている黒猫であり、90%くらい毛が黒い。残りの2%はじゃあ何かというと、左の後ろ足のかかとがちょっと白いんです。

なんかオマケってカンジ。

子猫の時は、つま先まで黒だと思っていたためにカナメが1歳の時に発見して驚きました。
ぴょむぴょむ、たしっとフローリングを元気に走り回るカナメ坊ちゃん(2歳・太り気味のオス)は、飼い主からいきなり足をつままれてピャア。

からのシャア。

「おれいま忙しんだぞ、てか触んな」とプチキレして駆けてゆき、絶賛思春期であった。へへ。
ぺむっと猫パンチされた飼い主(僕)、ちょっと満足げであった。うわあ

カナメは当時8ヶ月くらいだったのを、猫飼いの友人から「拾ったんだけども自分ちの猫が猫嫌いだから危ない、貰ってあげんか、キミ」(エラソーだけど仲は良いんだなこれが)との事で断りきれず。
片目が取れっぱなしのクマのおもちゃ(手のひらサイズ)も合わせて貰い受けた、というわけでした。

写真で送られていたのは恐らく長毛の、真っ黒な柔らかめの、ススワタリに似た猫。
否、ほぼススワタリ。

あ、もしかしてこれ猫?と思ったのは(失礼)、2枚目の写真で、カナメがミルクに顔を突っ込んで、カプカプ飲んでいる様子を見たからだった。ビールがテーブルに置かれるのを待てなくて空中で受け取っちゃう僕だな、と思ったのを覚えてます。

名前はその見た目から(真っ黒なので)ウニ、ポン(ポンデリングの略)、マヨ(黒の反対は白っぽい何かだと思った)など、2文字で呼びやすくかつ覚えやすいものをと思っていました。うーんうーんと唸る僕の横で彼女は、呆れ顔で「なんかこう、捻れば?」「食べ物ばっかじゃん、お腹すいてんの」などと辛口で批判をしてきました。

僕はそそっかしく、名前をしょっちゅう間違えるため、そうでもしないと病院やよそで「コモモちゃーん、あれ?うちの子と似てる他人(他猫)か?あ、モモコちゃんだっけ?いやあれ隣の猫やん」などという体たらくをお茶の間に披露してしまうから。ホトトギスならぬトホホギス。

というわけで路線変更して、カナメには僕が大事にしている体の部位を贈呈することにしたんでした。(いやいやいらんやろ、あほちゃうか)と、思ったアナタは正解。

その部位ってのが腰でして、そこから要をとってカナメ、と呼ぶことにしたわけです。腰は体の肝心要だからカナメだ!どうだ!大事ってことだぞ!とふんぞり返る僕の話を、彼女はほぼ聞いていなかったけど。スルーしてご飯食べてたけど。しょん。

で、話は戻るけどカナメ、100パーセントの黒猫なのか問題。

いやそんなに厳しく言わんでも、見た目からして黒猫だろと思われるでしょうが、その当時の僕はまったくもって黒猫の意味するところを知らず、ググって「しっぽまで黒いなら黒猫」ってのだけ頭に残っておりました。この話終わるやんけ。

だからなのか、元々そそっかしいからなのかはいざ知らず、カナメの白いかかとを見てパニクり、そこからどんどん他の柄が出てくるのではと内心ワクワクもしたんです。(すごいアホ)
猫飼い初心者ボク、前途☆多難。

それで何が諦め悪いんかというと、ちょっとだけ「他の柄が出る説」を信じてるんです。
どうぞポンコツとでも呼んでください。笑

でもまあ、と念の為にカナメを病院に連れていったところ、帰る途中からカナメ(ブチ切れモード)に、「あげな恐ろしか場所ば連れて行ってからに!!まじ訳分からんっちゃが」(訳:あんなに怖い所に俺様を拉致るなんてお前は心底何考えとんじゃボケ)と、流暢な博多弁でキレられ引っかかれました。強めのシャア。あいやー。

結果はどこも悪くなく、むしろ少し太り気味だと。カナメ坊ちゃま、冬毛では隠しきれなかったようでございます。

冬毛抜けまくりなので、渾身の猫なで声(傍から見たらキモチワルめ)に話しかけつつブラッシングする僕の手を、「これが諸悪の根源だけん、退治してやろ」とカムカムキックするカナメくん2歳。
僕はそこに「いたいよ〜優しめにしてよ〜カナメくぅん」などとほざきながら爪切りまでしちゃうのでした。手際だけはいいのよ。

てな感じで、カナメは98%黒の2%白、多数決(?)で黒猫の長毛猫というふうに片付いたわけです。
最近はこれにちょいポチャが新入り。明日から、猫ダイエットしてみるか〜〜〜と腕まくりをする僕でした。

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