見出し画像

発達障害グレーゾーン?の息子

わが子はこの4月から小学生になった。保育園で色々な経験をしたので半分記録の意味も込めて書き記していきたい。
息子の成長は至って普通だったが、ごく小さい頃からかなり慎重な性格であった。一方で興味のあることはよく覚え、親としては頭がいいなと感じて誇らしくも思っていた。前者に関してはトイレトレーニングが典型的な例であった。うんちはトイレでするのに頑なにおしっこはオムツにしかしない。保育園の先生にも心配されたが、ある時、できることがわかり、そこから一気にオムツが外れた。そしてオムツが外れてからは、おもらしをしたのは本当に数えるほど。保育園でおもらしをした時は先生に体調が悪いのではないかと心配されたほどだった(たしかにその時は疲れていたり、体調が悪かったりした)。ただ、この習性がネガティブに働くこともあり、自分の頭の中でこれはできないと思うとチャレンジしない場面が年少くらいから見られるようになった。さらに年中くらいになると、周りの子ができるのに自分ができないことにイラついたり、指示を聞き逃して大きい声をあげることが増えだした。直接、誰かに危害を加えることはないのだが赤ちゃんがバタバタする感じで、暴れることも多くなり、結果的に周りのものを壊したり、止めに入った先生を傷つけたりすることもあった。そして年長になるとそれがさらに悪化した。嫌なことがあると特定の子を叩く、ものを壊す、大声で叫ぶなどの行動が目立ち、保育園からも連絡がくるようになった。自宅で暴れることはなかったが、リアクションがおかしい時もあり、発達障害の可能性も考えて、小児精神科に受診することも考えていたが、なかなか予約がとれず、また診断をこの時期につけることが正しいのか判断がつかず、様子をみていた。ちなみに小児科の友人からは地域の療育センターに相談したらと言われていたが、解決にはならないだろうと実行にはうつしていなかった。
しかし問題行動が目に余るようになったのだろう、年長に上がってしばらくして園長から電話がかかってきた。「この子は本来優しくて頭のいい子です。でもこのままだと小学校でつまづくと思います。下手したら不登校になって、ご両親も仕事ができなくなるかもしれません」
さらに保育園以外に困ったことの相談ができる場所を使った方がいいということで、ここでやっと地域の療育センターに相談することになった。最初、心理士と面談し、知能試験を受けたところ、年齢相当の知能レベルだが、知識に偏りがあるという意外な結果を伝えられた。さらに突発性が高いことや運動の不器用さなども指摘された。これらを改善する目的で、月に一回、療育センターに通うことになった。ちなみに、この頃は最悪の時期で、保育園で暴れたと聞くと親が焦って自宅で怒る。子供は落ち込んでなんとかしたいと思うが、うまくいかずさらにパニックになり暴れる。それを聞いて親が怒るという悪循環に陥っていた。
そこで発達障害専門の塾に通うことにした。療育センターは月一回通院で頻度が十分でなく、改善するにしてもなんとなく時間がかかると感じたからである。塾では子供に、困ったときに自分の意見を言う練習などをしてもらったが、それ以上に親の悩みを聞いてくれたり、子供にどうやって接したらいいかを教えてくれ、親の成長の機会にもなった。ここで教わった一番、大きいポイントは、問題行動のある子は周りとうまくなじめず怒られて自己肯定感が下がっているので、とにかくほめることを意識してほしいということだった。つまり先ほどの子供を怒る行為は最悪の行為だったのである。また保育園での生活のハードルを下げる、つまり保育園の活動に参加する前に保育園に通えたことでOKとするところから始め、活動の場にいられたらOK、少し参加できたらOKという感じで徐々にステップを上げていくことを勧められた。この辺りは保育園とも共有をし、かんしゃくを起こした時に落ち着けるスペースを作るなどの協力もしていただいた。
ただこれらもすぐにはうまくいかず、睡眠表をつけてみたり、疲れがたまらないように早く迎えに行く日をつくったり、親も負担を抱えながらの日々が続いた。秋に園長に面談した際はもう手がないと言われ、お願いして人員を増やしてもらったりもしたが、かんしゃくを起こす場面はまだ多く、なかなか厳しいという感じであった。転機があったのは年明けで、小学校に向けて昼寝がなくなったことが幸いした。以前から昼寝の時間に自分だけ寝られず、それがプレッシャーになっていたのである。また昼寝がないので、夜も早く寝るし、生活リズムも良くなった。この頃は本当に落ち着いていたと思う。卒園イベントもそつなくこなし、最後の方は卒園と小学校入学への不安から不安定になったりもしたが、ついに3月末、卒園の日を無事に迎えた。
さて、そもそもうちの子は発達障害なのだろうか?療育センターや塾にも相談したが、そこまでではないということで結局、小児精神科は受診しなかった。ただ就学前健診で構音障害疑いで引っかかり、構音障害専門の耳鼻科にかかったところ、自閉症スペクトラムによくみられるタイプの構音障害と指摘されたことがあった。構音障害自体は軽度で様子見になったが、発達障害の要素があると感じた出来事であった。
また療育センターに通っていたので、小学校で特別な配慮が必要かもされないということになり、役所に来ている小児精神科の先生と面談する時間をいただいた。その先生からは「自閉症スペクトラムの診断にはならないが特性はいくつかあるので、特別な配慮はしてもらったほうがいい」というコメントをいただいた。この時に挙げられた特性は聴覚過敏、触覚過敏、偏食であったが、さらにその後で療育センターの先生から運動や細かい動作が、苦手なのも特性っぽく感じるというお話があった。
さて繰り返しになるが、いよいよそんな感じで、我が子はこの4月、小学校に入学した。発達障害の特性はあるのでグレーゾーンに相当するのかもしれないが、いずれにせよ生きづらさはあるのかもしれない。周りの環境を整えて楽しく暮らせるようにするのが親の務めと思うので引き続きサポートしていきたいと思っている。そういえば先日、たまたまとある小児精神科の先生が発達障害の子供について話している動画を見た。その中で発達障害の子の成長は斜め線でなく、縦線だという話が印象に残った。つまり普通の子は1.2.3.4.5と成長していくが、発達障害の子は0できてある日突然、10になり、また100のままがしばらく続き、ある日突然20になるという感じのように成長していくというのである。うちの子の発達の仕方がまさにそんな感じだった。小学校の様子はまたどこかで記録したいが、とりあえずは楽しい小学校生活を送ってほしいと親としては切に願っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?