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パーパスは経営者が現実逃避するための手段ではない

ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー紙6月号の論文から、「パーパスは経営者が現実逃避するための手段ではない」を取り上げます。サイバーエージェントの藤田社長へのインタビュー記事です!なんのためにパーパスの設定が必要なのか?の問いにリアリティを持って答えてくれる記事でした。あたらしい概念に飛びつく前に、考えたい問いでした。

https://www.dhbr.net/articles/-/8555


本インタビューの概要

  1. 自分の仕事を通じて社会に貢献している実感を社員は切実に欲している

  2. 綺麗事を並べることでビジネスの現実から逃避していないか

  3. パーパスを信じ切って染まってもらう必要はない


なんのためにパーパスの設定が必要なのか?この問いに明快に答えること、できますか?僕だったら、活動の社会的意義が腹落ちすることで、チームの内発的動機を高める!と答えるかもしれません。ただ、それって別の方法でも可能なことです。ブームに乗った?の部分は否定できません。

サイバーエージェントさんの場合も、世の中のパーパスを求める大きな流れに逆らわないという視点はあったそうです。ただ、より具体的な理由として、事業が成熟し専門的な人材が入社するようになる中で、サイバーエージェントを選ぶ理由を説明するため、だったそうです。

組織が未成熟な時は、新しいことにチャレンジしたい人が入社する。組織が成熟してきたら、その会社の組織のパーパスに共感する人が入社する。組織の成長と共に、組織のパーパスを表現する必要がある。これは、組織が大きくなることで、社長が直接説明したり、見せたりすることができなくなる。これも原因の一つと言えると思います。

では、パーパスを言語化してしまうと、どんなデメリットがあるのでしょうか?パーパスが綺麗事で組織の実際の活動と一致しなかったり、複数の解釈が生まれて混乱することでしょうか?もしそうならば、社員の腹落ち感を得たかった目的と逆の効果が生まれてしまう。

プラスの面があれば、必ずマイナスの面がある。パーパスをつくることで社会的意義を伝えられる。けれども、その意義に共感しない人は入社しづらくなる。また、共感して入社してきても、実際の会社の活動がパーパスと一致してなかったら、辞めてしまう。そう考えると、パーパスを下手に明示することは、怖いことです。誤ったメッセージを出すぐらいなら、パーパスを明示しない方が、入社していただける方の間口を広くできる可能性すらある。

抽象度を上げます。宣言したことと行動に矛盾があると、ストレスを発生させてしまう。ましてやパーパスともなれば、そう簡単には引っ込めることもできない。ゆえに、言行一致となるような言葉選び。これがとても重要だし、簡単に決めることができないと言えそうです。僕もこの記事の言葉選び、できているだろうか?今回も読んでいただき、ありがとうございました。

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