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新しくサービスを創るときにやりがちな6つの失敗パターン

独立時代に2つ、メガベンチャーでの新規事業担当・責任者として3つ、個人的な趣味として2つ、合計7つのサービスを創ってきました。
多くの新規事業に触れ、個人としても失敗を繰り返すなかで「あぁ、これ失敗しそうだな」、「あぁ、やっぱりクローズか」と感じる6つのパターンを自分の頭の整理も兼ねてまとめてみました。

とにかく創ってみよう!パターン

リーンの考え方を履き違えている人が陥るパターンかと思います。意味のないプロトタイプやサービスを出してしまうやつですね。
ただ単に「早く創ること」には何の価値もありません。
「早く創ること」だけでなく創ったものを使って「仮説を検証し、早く改善する」ことで初めて「早く創ること」に価値が出てきます。
まずは
・ユーザーの話を聞き、ターゲットセグメントと課題をより明確にする
・対象となるマーケットの環境や競合に動きをインプットする
の2点を通じて仮説を立ててみてください。
プロトタイプを創る前にできることはたくさんあるはずです。

○○だと思うんだよね!パターン

仮説がある状態なので「とにかく創ってみよう!」パターンよりはましですが…その仮説の根拠がなく自分の感覚でのみ話しているパターンです。
サービスを創る上で最も重要なことは精度の高い仮説立てをすることだと思います。
そのためにはユーザーの話を聞き、「ユーザーの専門家」になることが最重要です。
「ユーザーの課題って○○だと思うんだよね」、「この機能いると思うんだよね」などなど、思い込みで作られたサービスなんて流行るはずありません。ただの自己満。
例えば「この機能は必要である、なぜなら〜だから!」と自信を持って言い切れるぐらい、定量・定性の両面から根拠を集めましょう。

俺が世界を変えてやる!パターン

大きなビジョンを掲げることは素晴らしいことだと思います。
人を惹きつけるのは多きなビジョンでありパッションなのは間違いありません。
しかし、同時に「どのようなストーリーで世界を変えるのか」も重要です。
世界を変えるためのプロセスを(できる限り)明確に提示できないと惹きつけた人たちの不信感が日に日に募り、チームは崩壊してしまいます。
そもそも作り上げたサービスもグロースするわけありません。
ビジョンから掘り下げて思考するだけでなく、ターゲットの持つニーズやビジネスモデルから積み上げて考えるのをお忘れなく。

最初から大きな花火を打ち上げよう!パターン

「β版のリリースやシード期の資金調達でプレスリリースを打つ」、「β版のリリースから広告を打ちまくる」などがこのパターンにあたります。
プレスリリースを打つともちろん界隈では注目されるので起業家や事業担当者は気持ちいいんですよね(笑)
初期の段階でのプレスリリースで獲得できる顧客は本当の顧客でない可能性が高いですし、より重要な指標(リテンションやLTなど)が一定の数値でないと広告費を垂れ流してしまうだけになります。
ポール・グレアムが言っている「スケールしないことをする」ことはサービス初期の段階で本当に重要だと思います。

フルスペックこそNO.1!パターン

ユーザーのニーズを満たすためには必要な機能すべてを詰め込んだほうがいいよねって人やチームによく出会います。
そういう人やチームが創るサービスに限ってどう使ったらいいかわからないサービスばかり。
いっぱい詰め込み過ぎてユーザーを混乱させます。
ユーザーの課題をシンプルに解決できるサービスこそNo.1だと私は思います。わかりやすいって素敵ですよね。
全てのサービスの機能やUIには意味があります。
なんとなく創っているのであれば、なぜその機能は必要なのか、なぜそのUIになっているのか考えてみてください。

売上はついてくるでしょ!?パターン

ボランティアではなくビジネスである限りいくらいいサービスを創っても売上や利益が上がらないのであれば意味がありません。
ビジネスモデルの検証はニーズやターゲットの検証とは全く別だと考えます。
売上・利益の遅行指標をKGI・KPI(・KPIを構成する先行指標)と細かく分解し、ユーザーの課題解決が収益に転換するかを検証しましょう。
ビジネスモデルの検証はサービス(プロトタイプでもいいと思います!)を用いてあくまで定量で測定することをおすすめします。
「○○さんが××円だったら課金すると言っていた」は99%当てになりません。
蓋をあけると課金されないケースがほとんどなのでご注意を。


偉そうにまとめてみましたが、私自身、サービスを創り始めた当時は上記6つ全てに当てはまっていたと思います…
今も、社内で創っているサービスや趣味で動かしているサービスが"ビジネス"としてやっと立ち上げ、グロースさせることができるようにになったかなというレベル感です。
ぜひご参考程度に眺めていただきたいのと、個人の経験やスキルも仮説検証だと思うので高速でトライアンドエラーをくり返して仮説の精度を高めていくことをおすすめします。

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