読書 帝国という名の記憶 上
紹介文
感想
久しぶりに、スペースオペラの陰謀劇を堪能しました。下巻を読むのが楽しみです。展開が遅いとか、勿体ぶっているなどという感想も散見しますが、ここ最近読んだハードSFに比べればなんでもありませんでした。感覚が麻痺しているのかもしれない。。。
数々の星を傘下に治める巨大帝国テイクスカラアンへ、まだ征服されていない辺境のルスエル・ステーション(惑星ではなくステーション)から主人公である大使が送り込まれて物語は始まります。スペースオペラのなかでも、政治的な陰謀や駆け引きが主となる物語です。派手な艦隊戦などはありませんが、銀河帝国のソフト面(文化や社会構造)とハード面(科学や建築物)はしっかり描かれています。この辺の説得力は没入感を高めてくれます。
帝国にはない技術(記憶と人格を移植できる神経インプラント“イマゴマシン”)をめぐる駆け引きとともに、帝国内の政治と陰謀と、かろうじて独立しているステーション内の政治が絡み合いながら主人公を翻弄していきます。
色々な意味で、着任早々予想外に「孤独」となった主人公は、外交大使という立場を使い、味方と敵と関わる人を増やしながら絶望的な状況を生き延びていきます。謎ときは、あまりすすみませんが、段々とあきらかになる世界の面白さに、先を読み進めたくなる展開でした。
こういう場合、ありがちな話ですが、登場人物がどんどん増えるので誰なのか分からなくなります。下巻にしか説明の一覧がないので下巻も一緒に買った方が、その辺りが気になる人は良いと思います。
最近読んだ中では、軽く読み進められるSFでした。下巻を読むのが楽しみです。
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