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「ポーの一族」を示唆された日②〜あなたは、名水に呼ばれているの。〜


あらすじ。前回はこちら。

偶然ハプニング遭遇率が人の15倍である旅人(誰の事?って、あたしだよ!)の、
とある1日。

あたり一帯の宿に入れず吸い寄せられるようにとあるゲストハウスへやってきた。
そんな時は、そう。

「必ず、そこに会うべき人、キーパーソンがいる。」

いつ会うのか、いつ会うのか、ソワソワしながら1日が過ぎ終わりかけた午後8時過ぎ。
1日を残り4時間としながらも、最後のトドメでキーパーソンがやってきた。

「ねえ、あなたの話を聞いていて、思い出した漫画があるの。ご存じかしら?“ポーの一族”よ。」


全く失礼ながら、宝塚歌劇団にもリメイクされるような漫画の中でも、不朽の名作を知らず、なんのことだか分からなかっった。

「ぽ、“ポーの一族“ですか・・・?」


「あなたの症状や発言や行動、今聞いた何もかもが、“ポーの一族”の主人公を彷彿とさせるわ。これは、エドガー、アラン、そしてポーが織りなす物語よ。」

先ほど、ゲストハウスのリビングでやっと出くわした、今日のキーパーソンはこういった。50代くらいで長身の、ショートカットで、洋服は無地なのに、そこに個性を漂わせる方だった。


私は、なるほど、その、ポーな。と聞く体面の頭の片隅で、小説家エドガー・アラン・ポーと自分の誕生日が同じ1月19日であることを知識として知っていたために、ここで、こんな線の繋ぎ方が来るのかと、内心、驚嘆していた。(そこ!?)

『ポーの一族』(ポーのいちぞく)は、萩尾望都による日本の漫画作品。・・・永遠に生きる吸血鬼一族の18世紀初頭から21世紀にかけての物語を描いたファンタジー。

Wikipedia
※高校生のみんな、Wikiは論文引用では使わないでね!


彼女の話によれば、主人公だったかは、とても繊細なハートの持ち主で、彼の精神が傷つくたびに漫画であるので、その傷つきが可視化され、彼の前に1枚のガラスとなって描かれると。

彼の精神が傷つくたびに、そのガラスが割れていき、全てが破壊される前に、彼はガラスを元通りにするために忽然と姿を消す。そう、精神の修復のためドック(安全な場所)へ避難するのである。

その精神のガラスの修復が終わると、現世へ戻ってくる・・・。

そんなお話をしてくれて、これはまさに、これは今聞いたあなたの身体だという。

「あなたの精神は、話を聞く限りタフ。だけど、身体がまるでガラスだわ。」

そう、何を隠そう私は、どんなに罵倒されようとあまり気にはしない方だが(人の話を聞いてない。)

今、行きたいところに会議で行けない!となれば、血尿か血便にまみれる身体になっている。

身体がガラス・・・?

「ねえ。そして。あなたが過去に辿って着たところ、気になる場所をもう一度聞かせて。」

私は20歳から、辿ってきたA町、B町、C市、D町、そして気になる今後の訪問予定の町町を宙を見ながら、そらんじた。

「やっぱり、、、。それ、全て、湧水の出る土地よ。名水100選に選ばれているところだわ。」

なぜこの一発で、湧水の出る土地だと、彼女が言い当てられたのかに私はまたもや意表をつかれたが、同時に自分が、行きたい!と選んで飛んだ町々に、清水がコンコンと湧き出ているのを地元の方々に幾度となく説明された光景を走馬灯のように思い出した。

「もしかして、、。私は、水に惹かれてたってことですか!??!!!??」

各土地に、水が目的で行ったところは一つも無かった。
ある時は教育に、ある時は踊りに、ある時は保育に。

それぞれの施策や土地の人々に惹かれて町を訪れていたのだが、全てが名水で繋がるとは・・・。

「あなたが、次に行こうとして挙げてくれた土地。それ全て湧水が有名だわ。あなた、名水の土地に呼ばれてるのよ。」

この方は、湧水ハンターか何かなのだろうか?という一抹の疑問も湧きながらも、
ちょっと調べれば、それは紛れもない事実だった。

「私は、日本の名水を知らずにたどっている・・・?」

「わかった。そうとなれば、インドの名水地も知っておいた方が良い。」

日本のことだけで混乱している私を尻目に彼女はワールドワイドな視点で名水を紹介してくれた。

「インドのムンバイの郊外に、少数民族がいるの。そこの村には、ものすごい名水がある。ここを今度インドに行く時は、訪ねて行くと良い。」

住所とルート、日本人の知り合いもご紹介いただき、私は数分足らずでインドの名水への道も開けた。(こうなったら行かずにはいられないので、近いうちに行くんだと思う。この展開を何度か経験しているが、、、行くやつ。)

私は、自分が日本では知らずのうちに名水巡りをしていたこと、そして、好きなインドでも名水のある村に導かれ、久しぶりに呆然としていたところで、彼女が再び口を開いた。



「良い?ポーの一族の話に戻るけど、あなたには、“ドッグ“、帰る場所が必要なの。身体がかなり傷つきやすい。それは、切り傷といった見た目の話でなく、内臓疾患なのだから、言葉でも空気を読んででも、見えないものがあなたの身体を内側から壊している。職場で、その経験をしたのであれば、それを、もう自覚すべきだと思う。これから、旅が本業になるのなら、旅の途中に“ドッグ“に帰る日を入れるのがbetterよ。そして、その“ドッグ”の鍵になるのは、そう。名水よ。名水中の名水に触れることがあなたの回復“ドッグ”のkeyになる。私は、そう思うわ。鮎みたいな子。綺麗な水を求めるのよ。おやすみ。」


メモする間も無く、あり、あり、ありがとうございました!!!
と、ただパクパクする私を置いて、彼女は部屋へ戻っていった。

気がつけば、夜も遅く、22時だった。

keyパーソンって、夜に颯爽と現れて颯爽と去っていくパターンもあるんだ・・・。
なんて、アホなことを考えながら、
気がつけば体育座りで、とにかく呆然としていた。


彼女の帰り姿を目で追っていたら、私の目の前の部屋だったから、翌朝にお礼を言おうと思った。

朝。7時に起きたのに、もう目の前の部屋は空だった。

私に話してくれた人は、実在する方だったのだろうか。
あの怒涛の2時間はなんだったんだろう。

あれは・・・。

旅というのは、偶然がつきものである。


witten by @guuzenno_sawady


名水の中の名水と言ったら上高地とかでしょうか?
富士浅間神社の辺りも名水中の名水でした。
富士浅間神社、夏でも、肌が痛いほど冷たい。

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