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~旅人よ、旅を止めろ〜急に起き上がれなくなった日のこと、そこから回復した道順について。②

https://note.com/guuzenno_sawady/n/n112a73362bdc?sub_rt=share_pw

双極症(躁鬱病)治療の参考にされる方は、一番下に飛んでください。
※双極症にはかなり個人差があります。
周りの方で、同じ症状の方がいらした場合、私のを読んで、あの人そんな深刻ではないのでは?と思っていただきたくはなく注釈を書きました。


2021年8月16日。
前日まで後輩とウフフ(^ ^)とランチしていたのに、急に起き上がれなくなり、そこから1年半の療養生活に入る。思い当たるストレスも無い。

8〜12月は内科を受診し、内臓や血液疾患などの病が無いか検査してもらい異常なし。
あまりに長期に体調不良が続くので、精神科への受診を勧められるとともに、
社会人たる者必ずや会社に出勤すべしとの念が晴れず、身体を引きずりつつ意識を飛ばしつつ出勤再開。


2月になり24時間吐き続ける珍事に見舞われ、再び出勤を断念。しかし、第一目標は出社との思いは変わらず、


吐き続ける身体
VS
普通の社会人になりたい想い


両者一歩も譲らぬ戦いが、ここに火蓋を切って落とされた…。

「普通の社会人になりたい想い」は、先にも述べたように、第一目標を出社とした。会社より、復帰には医師の許可OK診断書が必要とのことで、精神科医を徹底リサーチ。

東京の公務員なので、都立系公務員産業医経験者(制度を一通り熟知しているかどうか)と精神科医歴、さわでぃーは双極症(躁鬱病)の疑いありとの先輩からの助言から、双極症の論文の執筆経験など、可能な限りを調べつくし、ピンポイントでこのすべてを網羅し、通いやすく、復帰の診断書を書いてくれそうな医師を探し当て、受診。

大変に調べたので、とても良い先生で、私は人間的には好きなのだけれど(笑)受診後、開口一番に言われたのは、

「もう、旅をすることは止めましょう。」

ということ。
双極症(躁鬱病)については、間違って理解されたくないのできちんと検索して欲しいのだけれど、ハイhigh(躁)が来ることでそれと同じ分だけローlow(鬱)になるという考え方である。
必要以上に身体のキャパを超えてハイ↑になることで、自分の全てを使い尽くしているのに気が付かず、燃え尽き症候群的な感じで、その分だけロー↓が来る。

治療方針としては、いかに最初のハイ(躁)を発生させないようにするか、ということになる。(ハイが無ければローも無い)

その、ハイ(躁)は私の中でいう「旅」にあたり、ツアーでないのに個人手配でインドやアフリカに行くといった無謀なことや突発的な旅はもうやめにしましょう。穏便に暮らしてください、静かに暮らすことが一番です、とのことだった。(穏便暮らしとか、こんなことは言われてないかもだけどwとにかく旅を止めろ、というのだけ衝撃で覚えている。)


旅がアイデンティティの私に、旅を止めろと言うのか?(わざわざ言われに行ってるんだけど笑)という疑問と、いわゆる普通の社会人になりたいんでしょう?ねえ?という自圧に滅されそうになった私は、徹底的に自分に問うこととなる。

私は何がしたかったんだっけ?
私は何をしてきたんだっけ?
私は、何が好きなんだっけ?

★自分の行動、そしてその真意と演説やメッセージとして伝え続けてきたことを振り返った

個性。
今までの人生で多くの点を打ち放ってきた。
公務員になりルールを作り守る側を体験した。
その結論は、ルールを守ってる側、壊す側、
みんなが間違っていないこと。
どんな自分になりたいか?という問いで見えてきたのは旅をしている自分。


私は、人よりも多く壇上に立ち、大勢の人前に立ち、そして声高に色々なことを訴えてきた。その神髄はすべて共通し、「その人がそのままで輝く世界」を創り訴えてきた。これは、これからも今後も変わらない。

私は大好きな面白い人々と出会い分かち合い、好きな旅をしてフラフラ暮らし、「その人がそのままで輝く世界」を体現する。

私の一歩が誰かの一歩となる。
私は、最初の一歩を踏み出す人間となりたい。
私の人生は、私が創り出す。


そんなことを結局、1年半くらいチマチマちまちまかけてずっと考えてねりねりして、途中は何度も挫けて「旅を止める・・べきなんだろうか?」とか、「普通になるべきなのでは・・。」とか思うたびに、上記のように気持ちを書きなぐって、毎回毎回、自分の中でのやりたいことの回答は同じで、でも納得いかなくて、不安になり、先輩や友人に話をして、やっぱりやりたいと思うことは共通していて、気持ちを書きなぐり・・・。

多くの相談は自分で答えを知っているように、答えは持っているが納得がいかない。納得がいかないが、答えは変わらない。

そんなこんなしているうちに、1年が経ち、まだ会社復帰が諦められない私は、会社の近くに畑を借り、健康にいいだろうと土いじりをするようになって、野菜の世話やりをしに行く=会社へ通う練習ということで継続し、

吐き続ける身体
VS
普通の社会人になりたい想い

の決着も付かないまま、冬ぶり、1年ぶりのの会社復帰を果たす。
その1週間後。夜中に猛烈な激痛で目が覚めることとなる。

当時、齢29歳にして、夜中に五十肩(正確には20代なので二重肩)を発症。

大学病院でMRIで見てもらうも、五十肩の症状で間違いがないが、世の中に先例事例なし。デスクワークを当分控えよ(会社復帰取りやめ)、とのことで注射をしてもらい帰宅。注射をしても止まない激痛に、数日寝付けず、堪りかねた私は降参を申し出る。

吐き続ける身体、五十肩の激痛
VS
普通の社会人になりたい想い

ついに、身体の勝利となり、この激闘は幕を閉じることとなった。

突然の会社の最終日。
あの太陽が燦燦と照らす8月の真夏日に、包帯でぐるぐる巻きにした左肩、サロンパスのようなシップの匂い、痛み止めの注射の跡を噛みしめながら、一人呆然と庁舎の外に出て立ちすくみ、今日が最後か、と建物を見上げた日を忘れない。

それは、最初、公務員になり、ここで働くんだ。みんなと同じ普通の社会人になったんだ、と建物を見上げた構図のそれと全く一緒であった。

その真夏日をもって、私の人生は多くの経験と共に”ふりだし”に戻った。


会社に復帰するのは事務手続きになぜか数週間にわたり困難を極めるものの、会社を休み辞める事務は、なぜか、すんなりと早くその日中に手続きが完了した。

この話は、最近どうこうの話ではない。
高校卒業後、18歳から続く普通の社会人になりたい想いを諦める。
トータル約12年に及ぶ熱き葛藤に、終止符を打った。

自分で自分の道を創ること。
失敗するかもしれないし、私の作る道なんて誰も教えてくれないし、どうすればいいのかもわからないけど、だけどそれをやること。

徹底的に自己対話し、自分を知ること。
自分の選択を自分が一番信じること。
自分が自分を活かすこと。

私の人生は、私が創り出す。
いままでも、いまも、これからも。


おわり。

【道順】
とにかく最初はたっぷり脳を休ませること。
2021年8月体調不良休職→2021年12月復帰→2022年1月精神科受診・双極症診断→2022年2月再び休職/リチウム投薬開始→4月菜園開始→6月7月カウンセリング受診(母について整理・また書きます)→8月復帰→五十肩→休職へ→降参する→退職に考えが傾く、この間ずっと自己意思との対話書き出し悩み書き出し先輩や友人に大丈夫と言い続けてもらいました。ありがとう。

▶︎普通になることへのこだわりについて。


双極症(躁鬱病)の治療の参考にされる方へ

まずは、精神科等の専門機関へ受診してください。

突然に、あなたはこの十数年、双極症であったと告げられ、私の知らない自分が存在したことに驚きましたが、まあ、調べてみれば私自身でした。
自分の性格に名前が付いただけみたいな。
人生のスピードの速さや物事を進めることが極端に遅いなど、社会のスピードに早すぎて置いてけぼりにされる部分遅すぎてついていけない部分と、何がどうなってこうなってるのか自分でも分からないのですが、とにかく社会的な一般と言われることでなく、自分ペースでないと体調を崩すことが今回判明しました。自分ペースとはいったい何なのか?を現在探っているところではありますが、各々のペースで生きるんでもう良いんじゃないですか?


私自身の回復には、睡眠時間の把握、適度な農作業、適度な薬の投薬が効果的であったと感じます。双極症には個人差がかなりあると感じます。一概に参考になるかは分かりません。

私は双極症(躁鬱病)の治療といいますか(根治はないので。)上手く付き合っていくためにリチウム投薬を行いました。化学記号、すいへーりーべーのリチウムです。リチウムは、双極症での有名な投薬ですが、その何が効果的なのか研究で全くわかっていません。ですが、抜群の効き目を誇るらしいので、投薬としてメジャーです。

”何が効果的なのか研究で全くわかっていない点”に面白さを感じ、私は飲むことにしました。(もちろん医師から勧められて。)一応、ハイ(躁)を落ち着かせる役割を果たすので、発想に豊かさが無くなるのでは?とかもう面白いことは考え付かないのではないか?とも思いましたが、まったく支障なく、私の面白さは変わりません。

精神科も、今度は旅を第一に置くため、旅に寛容そうな医師を徹底的にリサーチし、通いやすい位置にある先生で、放浪癖はそのままで良い、旅をしなさいという先生に変更しました。今は、定期的に先生へ、体調不良なく落ち着いているよ~という定期受診をしています。

双極症(躁鬱病)の付き合い方には、以下の本を参考にしました。

躁鬱大学 坂口恭平著
坂口さんの美術作品を見ていると、見ている世界が違う天才であると思います。(笑)天才が書かれている書を読んで安心しますね。

神田橋語録
 躁鬱大学にオススメとして載っていた神田橋医師の神田橋語録にも救われました。

双極性障害バイポーラ―ワークブック
 専門書過ぎて脳が疲れているときは読むのが難しかった。

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双極はたらくラボ ・双極はたらくラボ ホームページ
スマートウォッチによる、睡眠から体調を把握する方法など実践的な内容を掲載していて使いやすいと感じました。

私の体験が何か一助になれば幸いです。

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