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ブレイヴ・ブロッサムズのキウイ、ワーナー・ディアンズの成長。

ワーナー・ディアンズは、こんなに早く実現するとは思っていきせんでした。

高校を卒業して1年、まだ10代のディアンスは、11月に日本代表としてデビューした。本人は、突然の呼び出しに驚いたと言います。

「電話を受けたときは衝撃でした。突然のことでしたから。ブレイヴブロッサムズのトレーニングキャンプに招待されるとか、そんな感じかなと思っていたのですが、実際に日本代表に選ばれたのは驚きでした」

2020年末に流通経済大学付属柏高等学校を卒業し、2021年に東芝ブレイブルーパスでわずかな試合しか出場していなかった19歳がです。

元シルバーファーンズのターニャ・ディアンズと元ホークスベイ、現NECグリーンロケッツ東葛のストレングス&コンディショニングコーチのグラント・ディアンズの息子であるワーナーは、東芝と契約する前に選択肢を考え、ニュージーランドに戻ることも考えていたようです。

「高校を卒業した後、いくつかの選択肢を考えていたんです。日本の大学には行きたくなかったし、そのようなシステムも取りたくなかった。ニュージーランドに戻って契約を結ぶという選択肢もありましたが、新型コロナのこともありますし、当時は正しい選択とは思えませんでした」

「そして、今年の初めに東芝ブレイブルーパスの話が持ち上がり、父や他の人たちと相談して、それがベストな選択だと判断しました」

両親は、アオテアロアへの忠誠心を持ちながらも、息子が日本のためにプレーすることに感激していたと言います。

「ママもパパもとても誇りに思ってくれて、ママはニュージーランド代表としてネットボールをしていたし、私たちはキウイだけど、2人ともとても興奮して誇りに思ってくれて、がんばれと言ってくれました」

身長180センチ、体重122キロのディアンズは、まだ10代であることを忘れてしまうほどです。しかし、その堂々とした体格とは裏腹に、選出された後は緊張の連続だったと言います。

「最初は本当に緊張の連続でした。その場にふさわしいかどうか、自分に務まるかどうか、自信がなかったんです。でも、しばらくすると、その緊張がテストラグビーができるという興奮に変わりました」

ディアンズは、自分がテストラグビーでプレーする権利を得たのかどうか、疑念を抱いていました。

「ポルトガル戦で日本の国歌を聴き、フィールドに飛び出したとき、すべてが納得できました。そのとき、自分は国際的なラグビー選手なんだと実感しました」

「しかし、ポルトガル戦でベンチから5分しか出番がなかったのですが、出場して初めて、自分がいるべき場所にいるのだと感じました。本当に自分の居場所だと感じ、日本代表でラグビーをすること、テストプレーヤーになることが自分の運命なんだと思いました」

しかし、日本代表としてプレーすることに迷いがあったと言います。ディアンズは、多くの若いニュージーランド人選手と同じように、いつかオールブラックスの代表選手になりたいという野望を抱いていたのです。

「ブレイヴ・ブロッサムズのキャンプで、デビューが近づいてきたとき、自分が代表選手になったら、オールブラックスでプレーするという子どもの頃の夢が終わってしまうかもしれないと思い始めたんです。キウイの子どもたちの多くは、オールブラックスになることを夢見ていますし、私もそうでした。しかし、私はここ(日本代表)にいるべきであると感じていますし、自分の決断に満足しています」

ディアンスは、いつかオールブラックスと対戦することを望んでいるます。

「特別な日、大きな日になるでしょうね。オールブラックスと対戦することが実現すれば、間違いなく複雑な心境になるでしょう。でも、ニュージーランドと対戦するのは、また別の夢が叶うことになるのでしょうね」

また、ディアンズは、最近のTier1諸国との印象的な対戦成績や、日出ずる国で開催された2019年ワールドカップの準々決勝での活躍から、日本が南半球の最高峰テストトーナメントであるラグビーチャンピオンシップに参加する権利を獲得したと考えているそうです。

「日本代表がラグビーチャンピオンシップに出場することは、日本だけでなく世界的なラグビー競技の発展にもつながるでしょう。ブレイブブロッサムは、トップレベルの国際大会に参加する資格があるのです」

ブレイヴ・ブロッサムズを息子に勧める一方で、元シルバーファーンのターニャ・ディアンズさんは、ワールドラグビーの資格規定に最近変更があり、3年間の活動休止期間を経て国際チームに移籍できるようになったことをすぐに息子に伝えました。

「彼女は私に電話をかけてきて、このニュースを伝え、"あなたはまだいつかオールブラックスでプレーすることができるのよ"と言いました。ルール改正のリンクも送ってくれたし、すべてハッとさせられたよ。彼女はどうしようもなかったんです。彼女は、日本代表としてプレーする僕を誇りに思ってくれていますが、心の中では、いつか僕がニュージーランド代表としてオールブラックスのためにプレーすることを望んでいるのがわかりましたからね」


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