続ダンシング・ストーン

「このあいだのネックレス、捨てちゃった? 」
「まだ取ってあるよ」
「もらってあげる」
「藪から棒に」
「夏も、終わるじゃない? 」
「夏が終わると、君は僕からのプレゼントを受け取る? 」
「そうじゃないわ、寒いの」
「支えがないと立っていられないくらいに」
「そう、呪いにかかったみたいに」
「どうして春は暖かいのに秋は涼しいか知ってる? 」
「それ、この間も聞いたわ、相対がどうって」
「春は冬の後だから暖かくて、秋は夏の後だから涼しい」
「それで? 」
「秋は、君が生まれた冬の前だから、とてもせわしい」
「あなたの生まれた冬の季節の前だから、素敵よ」
「どういう意味? 」
「この世界に私が生まれてから一瞬も、あなたがいない瞬間はないってこと」
「そして、僕にとって君がこの世にいなかった時間は秋だけだ」
「そうね」
「はい、あげるよ。ダンシング・ストーンって言うんだ」
「この間もそれ、聞いたわ」

彼女の首元に収まったその蹄の中で輝く宝石は、ようやくダンスの相手を見つけた嬉しさに、決められたテンポより速く動いている。

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