和蘭三葉

早大生文学・絵画・音楽・映画・文筆活動で生きていくツイッターで宣伝 @guycelery

乾いた乙女(第4章より)

次に目を開けた時、僕の隣にはチェリが眠っていた。僕は彼女の方を向いて反対側の肩に自分の手をかけた。ひどく冷たかったので布団をかけた。彼女の顔はこれまで見たどの彼...

猫と希望のメロディーについて【3】

暑い夏だった。NHKの集金人がやってきた、どんどんと私の家の扉を叩く。【指揮者】さん、【指揮者】さん、開けてください、半年分、溜まってますと、あいつはいっつも大声...

猫と希望のメロディーについて【2】

これは、人生についての手記である。 * 「私が十八だったころの話です、」指揮者と名乗る男は話し始めた。「暑い夏でした、あるいは暑くない夏なんてものは存在しないの...

猫と希望のメロディーについて

窓ガラスに張り付く桜の花びらと、まうまうと煙るふかし煙草の混ざり合った香りとが春の若者の目を焼き、新しくできたカフェテリアに並ぶ学生たちを面倒くさそうに見つめる...

ランプを灯してはいけない

かさかさと小気味悪い虫の羽音に目を覚ますと、いつも通り日は高く上がり切っていて遮光カーテンの隙間から溢れる笑みはいつも私を激しく不快にした。グレゴオル・ザムザの...

眩暈

その夜の祝祭は恋の心のざわめきととてもよく似ていて、白銀の高級ミルクのように煌めいた流星群に国民は魅せられ何ということはなく涙を流している、私もまたそのうちの一...