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「おんにこにこ その5」・・・われてもすえに、なんて・・・。


2020年の春。
自粛で出歩けない時に
「崇徳院」の和歌をイラストを動かして
AI音声で語らせてみました。

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コロナ禍で自粛の始まった頃で、
それなりに時間もかかりました。
それから3年経って、今や動画も文章も
AIであっという間に作れる時代になってしまいましたね。

「崇徳院」のこの歌を覚えたのは百人一首ではなく、落語でした。

「崇徳院」
江戸落語では「皿屋」「花見扇」という題で、一部内容が異なります。
若旦那の恋の病を巡って迷走する職人たちの滑稽噺で、
お寺に参詣した帰り、茶屋で出会った娘に一目ぼれした若旦那が、その娘から崇徳院の和歌の上の句である「瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の」と書かれた短冊を受け取る。
この歌の下の句は「 われても末に あはむとぞ思ふ」。
つまり「ここで離ればなれになってもまた会いましょうね」という意味だと取った若旦那は、娘に会いたさにその夜から寝付いてしまう。

若旦那の恋の相手を探せと、大旦那の言いつけで飛び回る
出入りの男。
名前も住所も知れない娘をどうやって探すのか?
そこで、たった一つの手掛かり、「崇徳院」の和歌を頼りに探そうというのだが・・・という噺です。

オチを和歌にちなんだものにするか、しないかは、噺家によって好みが分かれるところです。気になる方は是非寄席で。

ところで、この崇徳院。
権力争いの末に流刑となりながらも、
「思ひやれ 都はるかに おきつ波 立ちへだてたる こころぼそさを」
と歌に詠むなど、歌人として知られています。

ところが死後には、怨霊となり世に災いをもたらし、
平将門、菅原道真と並ぶ日本三大怨霊にあげる人もいます。

しかし、
吉田秋生さんの漫画、詩歌川百景の中では、
「崇徳院は女に祟る根性なんてない。
われても末になんて割れる前に言えっての」
と、まさに一蹴されています。

これほど、キャラクターの偏移が大きい人も珍しいですね。

おわり



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