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「連日満員の理由が分かる」・・・演劇ユニット鵺的第17回公演「天使の群像」


まず、150分休憩なしと聞いて一瞬怯んだ。

以前にも書いたが、実は下北沢のザ・スズナリにはあまり良い思い出が無い。
40年ほど前の小劇場ブームの頃、詰められるだけ詰めた観客席にさらに客を入れると言う凄い公演が日常的にあった。

それらの印象が強く、閉所恐怖症気味の自分としては、どうしてもトラウマが甦ってしまうのである。

おまけに、ここ数回、90分でも退屈で怒りに燃えた芝居を見せられて、
心が少し萎えていたのだろう、だがそれはすぐに払しょくされていく。


やや緊張しながら席に着いた。受付付近から聞こえる
「キャンセル待ち○番の方~」
という声が、不安をあおる。

ところが、その声が実にうまく、現実と舞台との境界を溶かしていく。
バタバタと入って来るキャンセル待ちの客さえ、演出の一部として、
入るタイミングを調整しているでは?と考えたくなる程、効果的なのだ。

「これはもしかしたら・・・」

「何が始まるんだ? 面白そうだぞ」

既に観客は芝居の中に取り込まれているのだった。

まだ千秋楽の公演もあり、DVDでの発売も予定されているだろうから、
詳細については、紹介しないが、
シンプルながら効果的で深読みしたくなるセット。
硬軟織り交ぜた演出、役者たちの的確で観客にしっかりと伝えて来る演技。
気が付くと150分が過ぎていた。

又、本編尺が長いと言う事もあるのだろうが、終演後の役者挨拶が無いのも好感が持てる。

面白い芝居、気に入った役者があれば、観客は自分で調べて、次の公演を探していく・・・そんな自信の現れにも思えた。

この劇団の芝居は、
この空間で実際に体験することを強くお勧めする。

今回は既に満席と言う事だが、
次回公演は、来年10月18日から、同じく下北沢ザ・スズナリで予定されている。今から楽しみである。
興味のある方は、是非「鵺的」で検索してみて頂きたい。



*芝居の中身を語れなくて、本当にすみません。でも、是非実際に体験してみてください。

又、今回観劇のご連絡に関して、色々とご配慮いただいたことをこの場を借りて感謝します。


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