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「悪女、悪女、どこまでも悪女」・・・妲妃のお百の毒気に当てられる。


「妲妃のお百」吉原桜鍋中江金村。

腹が立つほどの悪女なのだ。
「妲妃」とは、紀元前11世紀ごろ、中国の殷王朝の帝辛(紂王)の妃で、帝辛は、この女に入れあげ、女の言う事なら何でも聞いてやり、物欲色欲に溺れ、池に酒を満たして男女をその中で遊ばせた。酒池肉林という言葉はここから生まれたと言われている。その為現代でも悪女の代名詞となっている。

お百も、美貌を武器にお店に入り込み、物欲色欲に溺れ、他人を陥れていく。

その嫌な女と交錯する人間模様が展開する。
駒塚由衣さんの語りの間に差し込まれる艶のある江戸っこのセリフが
その声の質とともに効いていて心地よい。

しかも毒婦の語りという事もあり、前回の雲霧仁左衛門とは又違った味わいがある。
ちなみに、この「妲妃のお百」は、以前公演した時に、観客の中に
帰宅後夜中になって苦しくなった方がいたらしい。
それほど、インパクトが強いのだろう。

確かに毒婦に当てられる方もいるかもしれない。それ程の熱演だった。


27日(土)14時の回は、まだ空席もあるという、時間のある方は
是非、小気味よい江戸語りの時間を共有して頂きたい。

駒塚由衣江戸人情噺「妲妃のお百」
5月27日までは吉原桜鍋中江金村。
*5月28日は会場が「ホテル座みかさ」になるのでご注意を。




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