「渋谷怪談女子会」（O-nestにて）は、怪談家のありがとうぁみさんと、心霊系アイドルとして知られる、ちゃんももさんの出演する怪談会である。

今回で2回目であるが、昨年の第一回は初めてという事もあってか、
登壇者にもやや硬さが見られたが、今回はすっかり慣れて
初登場の方も含めて、とてもリラックスしていた。

ありがとうぁみさん以外は、全員が女性の怪談師もしくは
怪奇体験のある女性で、始まりこそ段取りを追う感じがあったが、１０分も経たないうちに、和やかな告白合戦になっていった。

本流でもある「渋谷怪談夜会」とは違った、段取りに拘らない感じが良い。ワイワイがやがやの怪談会だが、その中で語られる怪奇譚は、しっかり恐ろしい。

「そういえば、私にもこんな話がねー」

登壇者それぞれが実体験や聞き取ったお話を語っていくのだが、よくある怪談会の、「怖い話でしたね。はい、次の方・・・」という段取りの振りはほとんどなかった。

もしかしたら、当初は台本がきっちりあったのかもしれないが、
気が付けば、「私の話を聞いて～」という登壇者の心の声が
ダダ洩れしているような語りの応酬。
次々と繋がって行く話が、実に女子会的で楽しかった。
まるで友達の家で話しているような雰囲気が、
逆に怪奇体験の信ぴょう性を増していく。
下手に演出を凝るよりも、よっぽど面白く、自然な感じだった。

「本来ならピー音だらけになる」

今回のイベント、配信は行われず、聞いているのは会場の観客だけとあって、話の中に次から次へと実名や実際の地名などが、出るは出るは。
テレビでは、「ピー」音だらけか、放送中止になりそうな内容である。

それらの中でもやはり、ありがとうぁみさんの語る話には感服した。
特に、締めに語られた「友人の新居」の話は
質の良いショートショートを聞かされているような感じさえして
すっきりとして面白く怖かった。

次回は来年なのかもしれないが、今から楽しみだ。

　　　　　　　　　　　　おわり

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