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「吉原の真ん中で、江戸の風情を聴く」・・・恋と立場の狭間で燃えあがる思い。


「恋無終絵乃嶋噺(こいにはてなしえのしまばなし)」。吉原金村にて。

女優の駒塚由衣さんのライフワークと言われる江戸人情噺のシリーズ18作目。
今回は、江戸中期の大奥スキャンダル「絵嶋生島事件」を語り上げる。

駒塚さんの吉原金村での噺の会には、これまで何回かお邪魔させてもらったが、相変わらずの小気味よい語り、語るのが難しそうな作品を明確に伝えていた。安定感のある語りの部分と、やや自由な感じの解説やくすぐりの部分が織り交ぜられ、楽しく拝見させて頂いた。

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特に聞き入ったのは、何度か登場する絵島と生島の愛を確かめ合う場面。
こういった場面や濡れ場というものは、非常に気を遣うものである。

おそらく演者は、会場の雰囲気、客層、その日の天気や湿度まで考慮し、
瞬間的にその語りのトーンを調整するのであろう。
練習でこうやったから、そのままやりっぱなし、という訳にはいかない。

うっかりすると、いやらしくなりそうな文言を注意深く語っていた駒塚さんの深慮遠謀が感じられ、すっくと絵嶋が立ちはだかる場面では、
ある種の爽やかささえ感じられた。


語りは生き物だと、言う役者もいるくらいだから、役者の微妙な語り分けを聞き分けるのも楽しみなところである。

2月4日(金曜日)には日本テレビ系列の金曜ロードショーで放送される「ゴーストバスターズ」のシガーニー・ウィーヴァーは、駒塚さんが若い頃に吹き替えを担当しているという。

確かこの映画には、彼女が妖艶な演技を見せる場面があったはず。
絵島の色気とシガーニー・ウィーヴァーの色気。
駒塚さんが如何に演じているのか是非ご覧頂きたい。


おわり

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https://kinro.ntv.co.jp/article/detail/20220112


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