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8月6日8時15分

76年目の8月6日。
今年も昨年に続いて静かな1日だった。

朝、家で黙祷をし、仕事帰り平和公園に行った。

原爆ドームを色んな角度から見て歩く。

原爆により破壊され脆くなっている原爆ドームは、保存工事によってなんとか当時の悲惨な姿をとどめているが、近くから中を見上げれば沢山の補強がされている。

屋根のような囲いをつけてしまうと、世界遺産から抹消される可能性があるためにそれができないでいると知った。

ということは、そうでなくても大正時代に建てられた古い建物、この姿を遠くない未来見ることができなくなる可能性があるのでは、と思ってよく見にくる。

くるっと一周。

ちょうど灯籠流しが始まっていたが、感染防止対策からかなり規模を縮小していた。

3年前の灯籠流し。この年は自分で流した。


夕暮れ時の佐々木禎子さん(原爆の子の像)

さあ、慰霊碑に手を合わせよう。並んで並んで。

ここからまっすぐ原爆ドームが見える設計になっている。手を合わせ、さあ帰ろう。

安らかに眠って下さい
過ちは
繰り返しませぬから


原爆だけが戦争じゃない、と1945年8月6日西宮で空襲に遭った祖母は常々言っていた。

本当にそう思う。

しかし、私はたまたま広島に生まれ、こうやって平和公園が近い場所に暮らしている。

平和への誓いで

本当の別れは会えなくなることではなく、忘れてしまうこと。私たちは、犠牲になられた方々を決して忘れてはいけないのです。私たちは、悲惨な過去をくり返してはいけないのです。

という一文があった。私は被爆者の方から伺ったお話、あの日広島で起きたこと、あの時代日本や世界で起きていたことを忘れない。

祖母が話してくれた、西宮での戦争体験のことも忘れない。

76年も経ち、科学技術は格段に向上している。もし、今核が使われれば、広島や長崎の比ではない被害が起きることは火を見るよりも明らかだ。

歴史を、犠牲になった人たちを忘れることは破滅への入り口だと思う。

私は明日も美味しいご飯を呑気に楽しく食べるために、戦争の歴史を忘れない。

原爆だけではない。祖母が青春を捨て、祖父が命と引き換えに作り上げてくれた平和を無駄にはしない。

そう、今年も心に誓った。



おわり

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