ゲームのキャラクターを色付ける声優さん。
私は一部キャラを除いて、「終わりの鐘が鳴る前に」の登場キャラの声優さんを公募形式で決めていきました。
その際に気にした点や準備など色々と記載していきたいと思います。

募集をする前にしたこと

資料をまとめる

まずは声優の方に概要を知っていただけるような資料を制作しました。キャラだけではなく世界観など演技や演出に必要な要素で早い段階でイメージを付けていただいたり、応募のミスマッチをなくすことが重要です。
ここは企業採用の企業概要とかに似ております。会社のこと知らないのに求人や副業も応募もできないので、今回もサークルや活動内容も記載しておくといいでしょう。
またスケジュールなど全体感が分かるものを用意するといいと思います。

以前整理した後半になる資料整理も、こういう場で対外的に見られることを意識して作るといいと思います。

募集要項を作る

募集要項で興味をもっていただくのが大切です。
上記の資料は詳細なので、あくまで概要として記載して読みやすくするのがオススメです。
私は主には以下を記載しておりました。

• 募集概要

  • 募集期間

  • 有償・無償

  • 作業内容（カッティングや整音など入るのか、納品形式）

  • 収録環境、提供物など（スタジオ収録や台本の形式など）

• ゲーム内容

  • ジャンル

  • リリース時期

  • 対象年齢・媒体（PC or switchなど）

  • 無償提供 / 有償販売

• あらすじ・世界観

• 配役（複数いる場合は全部記載）

  • 役どころ、word数・文字数（シナリオ未完成時点では予定数

  • 兼役などあれば記載する

• 応募条件

  • 年齢や環境など要望あれば、事前にしっかり記載する

• 応募方法と条件

  • 連絡先

  • 報酬について

  • 選考方法（返信期限なども記載する）

応募いただく方はお仕事を発注させていただく対象ですので、出来る限りイメージしやすく齟齬がないほうがトラブルは少ないです。
FAQなどを作って問い合わせなどをストックできると親切だと思います。
あと収録をスタジオでやる場合は記載しておくといいです（特に都内や大阪など交通手段があるのか、交通費は出るのかで変わってきます）
今はオンラインで立ち会えるので、関西にいる私でも都内で集まっていただいて収録できるので大変助かっております。

サンプル収録をいただく場合

サンプル収録をしていただくとイメージが付きやすいです。他の役での声で近いのがあればいいですが、どうしても、難しい場合は録音環境関係なく収録いただくこともあります。
その場合は、サンプルボイスの仮台本を用意するのが望ましいです。私は特徴的なシーンを短くいただくことで声優さんの負担も少なく、判断しやすいことを心がけて用意しました。
もちろん収録環境のない方はアプリ収録や過去実績ファイルを送っていただくだけで選考に入らせていただきます。

情報発信と管理でしたこと

SNSは配信されると思いますが、他にもサービスを利用すると募集の数も変わってきます。私はフリーで募集してしまったのですが、その時Google Form使っていれば楽だったのに…と後で後悔しました。その話は後ほど。
「募集屋＊ComeOn!」さんは老舗で数も多いのでオススメですが、他にも「ふり〜む」などのゲーム公開系の掲示板を利用するのも手です。
それぞれに利用規約や雰囲気もあるので利用前には確認しましょう。

※参考に当時のtweetですが、リンクのURLは機能していません。

応募いただく項目に合わせた運用方法

私は以下をお送りいただきました。

1. お名前・ペンネーム等

2. サイト・SNS（任意）

3. 連絡先(メールアドレス、Googleアカウント、Skypeなどでも可)

4. 希望担当キャラクター名

5. 報酬

6. キャラを想定したサンプルボイス、もしくはキャラに近いサンプルボイス

7. ご確認事項など（任意）

これだけの項目ですので送っていただいたものを必ず整理する必要があります。私はエクセルで管理しましたが、ペンネームとSNS名が違ったため管理が難しかったり、問い合わせ窓口が複数作ってしまって整理するだけで時間がかかってしまいました。ご質問の返信もタスク管理をして一つ一つ返しましたが、漏れがあったりと、ご迷惑をおかけしてしまいました。
あとサンプルボイスは量が増えると整理しにくいのでディレクトリをキレイにしたり、dropboxやGoogle Driveのようなフォルダ整理がしやすいツールで管理すると楽になります。（ここらへんは人によって大きく変わると思います）
ただ、応募からサンプル提出に時間差があるので、提出・未提出のソートをしっかりできることが重要です。期限が迫った時にリマインドを送ったら、「もう送りました」と返されたら、かなり失礼になると思いますので。
ただ、それぞれ作品によっていただく情報は変わると思いますので、それに合わせた運用方法があってもいいかもしれません。サイトのお問い合わせフォームをWordpressプラグインを改造したり、MAなどで管理したら楽かなとか妄想はしましたが実装コストが嵩みそうなのでやめました。

選定時〜通知でしたこと

予想以上の反響への対応

これは他のサークル様は分かりませんが、応募数を侮っていました。
3桁行ったあたりから怪しかったのですが、かなりの応募数が来てビックリしました。
事務所などからもいただきましたが、そこは私は区別せずに「キャラに合った声」を貫くことにしました。
ここで知名度などからのインフルエンサーとして…という、お声もいただいたので、そういう選び方もあるかもしれません（個人的には副次的で作品には寄与しないものと考えておりますが）
でも、今回は自分の意志を貫いてよかったと思っております。
ゲーム完成時にイメージと違った声だと、それだけで後悔していたかもしれません。

サンプルボイス視聴と結果

先程申し上げた通りで募集がたくさん来ていただいただけではなく、複数のキャラの応募もあったのでボリュームが掛け算で増えていきました。
（12キャラも募集したので10人応募で全部に募集すると120サンプルになります）
ここで上記に書いたファイル整理が大切になってきます。
そして、またファイルを聴くだけでも、かなりの時間がかかります。
一人ひとりのメモを取って、20人くらい連続で聴くと麻痺してくるので、休憩して心に残った人を聞き返すと繰り返しました。
普通に1キャラ1日以上かかったので、全ての選考を終えるのに半月以上かかり、返事がかなり遅れました。（本当に申し訳ないと思っております）
しかし、同じキャラなのに色々と解釈や演技が違ったり、同じ人で色々な演技をしたりと面白かったです。（素人っぽい）
私も仕事柄、声優の収録などは立ち会っているのですが選考をしたのは初めてでしたので、凄く良い経験になりました。

あと結果ですが、やはりお手間をかけて収録いただいた方への不採用には失礼ないように配慮が必要です。
あと選考で迷った際も連絡を忘れないようにしましょう。
これで声優さんの選考については以上になります。

こぼれ話

実は今回選考のサンプルボイスで一部シナリオを書き直しました。
それは、この雰囲気であれば…というのでキャラの方向性を一部変更したのです。それだけキャラのボイスでキャラ自体も成長すると実感しました。