うさぎ観音

うさぎの耳は案外小さくて
数字の一がふたつ
柔らかな手を合わせてこちらを見つめる

平成が終わりますね。
九月も三月もきっとそのうち忘れてしまいますね。
知らないという人々が、また沢山産まれてきますね。


海辺を歩ける日が来るのだろうか


かなしくなってしまうから
コップいっぱいに温めるだけの星をください

うさぎ色したミルクと
あの夜の蝋燭の灯と
あの夜の雪空と星

うさぎは艶やかな目をして
こちらを見ている
日々が流れていく
何もかもが
綴じられるために


終わってしまう今日この夜も
あの崩れ散った昼もあの揺れも
きっとずっと覚えている

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