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結婚しました、では言いきれなかったこと

18歳から数年前まで、人前に立つ仕事をしていました。
そこでのパーソナリティは一貫して「不器用だけど頑張り屋、恋愛は苦手」というものでした。
そこには、顔を見に来てくれる方が、暖かい声援をくれる方が……差し出がましい言い方を許していただけるとしたら、ファンの方がいてくれました。
もっぱら仕事が恋人で、リアルな恋愛から一番遠いところにいたのですが、ある日突然「結婚しました」とSNSでお知らせすることになります。
あのとき、今で言う「ガチ恋」「ほっさん推し」の皆さまに「裏切られた!」と思わせてしまったかもしれない、申し訳ない、と今でも考えることがあります。
本当に今さらではあるのですが、そもそもなんで結婚したの? という話をしたいと思います。


すべてを失い大いに病む

とある出来事がありまして。仕事、住居、全財産、ほとんどの人間関係を一夜にして失いました。
俳優さんやアイドルさんで例えると、ホームにしていた劇場が突然の不渡りからの閉鎖! 的な。
リスクヘッジを怠りそのときの案件に盲信して、全リソースを住み込みで突っ込んでいた自分の責任なので、この件については「とほほー!」と言うほかないです。
調子に乗って新宿は四谷の駅すぐに住み、現場はビッグサイトォに幕張ィからのサーキットぉと……ブイブイ言わせていたのですが、ビャッと方向転換して足立区は五反野の1Rアパートへ。1Kじゃないところがポイント?

そのころ同年代のメンヘラ友達がバンバン亡くなってしまいまして、気持ちもすっかり弱ってしまったことを覚えています。 
ギリギリありつけた事務派遣の帰り道に、コンビニでお酒を買い込んでは「わたしも連れて行ってよおー!」と泣きながら呑んでいました。暗ッ!

トモダチに相談だ

友人、ある界隈ではおなじみのいのうーこと井上くんを呼び出し「人生がやばい」と雑に相談したところ、「結婚しろ」と彼は言いました。
そこで白旗を上げました「恋愛、正直、わからんて!」10近くも年上の女に北千住の串揚げ屋さんでそんな泣き言言われても困るよな、本当ゴメン。
とはいえこちらも必死なので、スマホの連絡先からありったけの独身男性を集め「ど、どなたがよろしいでしょうか……」と、その場でぶちまけました。
その夜は「ファン心理を考えるとお互いを応援したくなるようなクリエイター、とりわけ漫画家がいい! お金目当てっぽくも見えるからベンチャー社長はアカン!」と、その頃結婚した女優さんやアイドルさんの話で盛り上がりました。
ちなみに彼本人はわたしのことは「全くタイプではない」とのことでした。要らん情報にも程があるな。
【CM】いのうーはWEBラジオをやっているので、興味のある方はぜひどうぞ……。
「終末の全裸ディナー」で検索くださいませ。

なれそめと交際期間

結局、そこから数週間もしないうちに昔からの知人と食事会で再会。というベッタベタの馴れ初めからのトントン拍子でサクサク結婚♡
肝心の恋愛期間については、コロナ渦だったので半年の交際期間中デートは実に3回という少なさ! 結果として経験値ゼロの会話や服装の手札を出しきらずにすみました。ラッキー!

まとめ

①交際は人前に出る仕事と離れた後
②お相手は旧知の方
③デートは3回(コロナ渦だったので)
④スペシャルサンクスいのうー
です。
あれこれ書きましたが、アレですよ。
「前職でリアル恋愛は興味ないです! 仕事が恋人! ……と言いつつ実はプライベートで彼氏がいました!」では断じて。決して。全くそんなこたァないですよということを、この場を借りて言っておきたいのでした。

もう結婚しましたし、出産もしましたし。年齢もエエトシです。
このまま「告白」「恋愛」「交際」「デート」とかね。そういうのをあまり経験しないまま、この人生を過ごしていくことになると思います。
恋バナとか少女漫画が大好き女子だったので、実体験に乏しいのはやや残念。
それはそれで。いまとても幸せです!

そして、かつてのファンでいてくださった皆さまに心から感謝しています。一生大好きです。

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