答えのない問い

元夫が亡くなった。

一人暮らしの部屋で亡くなっているのを私が発見した。

バーロックがかかっていたので警察立ち会いのもとレスキューが開けた。

警察官に
亡くなっています
と言われた時の私の第一声は
うそだ…ほんとに?ほんとに?
だった。

膝から崩れ落ちたよ。

警察に一切疑われず、むしろ慰められ励まされたのはバーロックのおかげだ。

元夫よ、ありがとう。

あの夜から2ヶ月半経った。
今でもあの夜の夢を見る。

寂しがりのあいつを1人で死なせてしまった。


自分が死ぬってわかってたのかな。
だとしたら怖かったのかな。

そして、あいつは幸せだったのかな。
私は離婚してからもあいつに甘えてきた。
私もあいつを甘やかしてきた、私なりに。
でもそれで本当に幸せだったのかな。

そんな永遠に答えのない問いが心をぐるぐる駆け回る。

その時間が苦しい。
なにかしていないと飲み込まれそうになる。

なにかしたい、なにかを。

そしてそれは建設的で生産的で健康的なものでなければならない。

じゃないと私はだめになってしまう。

というわけで貯金をはたいて引っ越しすることにした。

あいつと離婚してこの部屋に来た。
この部屋にいい思い出はない。

新しい部屋で、新しい私になる。

あいつの元妻じゃなくて、私は私の人生を生きる。






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