【マンション】2020年販売戸数上位会社の特徴とは?(首都圏編)

こんばんは。不動産業界に勤める「一条室長」と申します。

以前より、この業界に関わっていて得られる知見(と言うと大げさですが)や、日々考えていることを発信したいと思っておりました。今回、初の投稿です。稚拙な文章で取り留めのない内容になると思いますが、どうぞよろしくお願いします。

さて、2021年2月24日に㈱不動産経済研究所より「全国マンション市場動向2020年(年間のまとめ)」の発表がありました。

https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/454/z2020.pdf

これは、毎年発表されているのもで、首都圏・近畿・その他・全国それぞれで1年間に供給されたマンションの総戸数と売主別の供給戸数が統計発表されたものです。

2020年のマンション市場の特徴は、3月頃から新型感染症の影響を受けて、モデルルームの一時閉鎖や来場制限が相次いだことです。しかし、後半はその反動を受けて、盛り返した売主が多いように感じます。

今回は、このような過去に例のないマーケット環境であった2020年の首都圏の売主別供給戸数を振り返り、各社の商品特徴や事業戦略について簡単に見ていきたいと思います。

なお、この記事は就活生や不動産業界に普段あまり関わりのないビギナー向けの内容となりますので、予めご承知おきください。それではいってみましょう!

【第1位 野村不動産(2698戸)】

供給戸数第1位は言わずと知れた野村不動産です。誰しもが一度は耳にしたことがある高級路線ブランド「プラウド」や、廉価版の「オハナ」を展開しています。

野村不動産の特徴は、とにかくブランド戦略に長けていることです。正月の箱根駅伝の中継では毎年のようにCMを打っており、「野村不動産=プラウド=上質なマンション」というイメージが消費者の中にかなり刷り込まれているのではないでしょうか。

【第2位 住友不動産(2530戸)】

住友不動産がついに首位陥落です。「シティタワー」や「シティテラス」「シティハウス」といったブランドを展開しています。業界内では強気の値付け&値下げをしないことでお馴染みです(最近は、一部物件では値下げしていると噂されますが・・・)。

2020年の特徴的な動きは、晴海の大規模タワーマンション「ドゥ・トゥール」がついに完売したことです。 2015年9月の竣工ですから、いつから販売が開始されたか正確には分かりませんが、6~7年かけて売り切ったということだと思われます。やはりスケールが違いますね。。。

【第3位 三井不動産レジデンシャル(1995戸)】

ここで来ました。不動産業界のガリバー「三井不動産G」の三井不動産レジデンシャルです。超高級物件から郊外ファミリー向けまで、手広く手掛けています。

特に、都心部の超高級物件は高確率で三井不レジが売主のことが多いような気がします。土地の仕入れルート、商品企画力、販売戦略ともに業界随一であることは間違いありません。

【第4位 三菱地所レジデンス(1354戸)】

「ザ・パークハウス」でお馴染みの地所レジです。他の財閥系デベロッパーと同じく高級路線を得意としていますが、中価格帯の物件も比率としては多いような気がします。

実は、藤和不動産の吸収合併で実力をつけてきた会社であることを知っている人は少ないかもしれません。ここ数年で、財閥系マンションデベロッパーとして、他社に比しても遜色無くなってきました。

【第5位 新日本建設(1232戸)】

ここまで、誰しもが耳にしたことのある会社が続いてきましたが、「新日本建設」と聞いてピンとくる人は少ないと思います。この会社は、千葉を地盤とするマンションデベロッパーで、社名の通り売主だけでなく自社で施工も行います(長谷工などと同じですね)。

郊外大規模ファミリー向けを得意としているので、供給戸数の押し上げに寄与していると思われます。

【第6位 日鉄興和不動産(1120戸)】

第6位は「日鉄興和不動産」です。旧新日鐵系の新日鉄都市開発と旧興銀系の興和不動産が合併して誕生したデベロッパーです。「リビオ」というブランドで供給していますが、ブランドイメージを訴求するCMは見たことがない気がします。

正直あまり目立ちませんが、都心のコンパクトマンションやマンション建替えで実績があり、業界内でも確固たる地位を築いているのではないでしょうか(あと、井桁弘恵さんのCMは好きです)。

【第7位 東急不動産(1023戸)】

東急不動産が出てきました。東急(旧東急電鉄)ではありません。東急不動産です。こちらは財閥系デベロッパーではありませんが、高級路線を得意とするなど、限りなく財閥系に近い戦略を取っています。

東急(旧東急電鉄)との違いは、東急沿線に縛られずにマンション供給を行っていること。また、子会社に東急ハンズを持つなど、柔軟でどこかベンチャーのような気質も兼ね備えた会社です。説明不要かもしれませんが、ブランドは「ブランズ」です。

【第8位 大和ハウス工業(973戸)】

第8位は大和ハウスです。業界の分類では、ハウスメーカー扱いになることが多いですが、最近ではマンション・オフィス・物流施設など不動産全般を手掛ける「総合デベロッパー」と言って差し支えないと思います。

マンションブランドは「プレミスト」。エントランス廻りは高級感を出していますが、全体的な仕様はさほど高くない印象です。なお、大和ハウスグループ内には他にも「コスモスイニシア」「フジタ」といった不動産開発業者がいます。

首都圏2020

以上、1位から8位まで簡単に各社の特徴を纏めました。中途半端ですが、疲れましたので今回はここまでとしたいと思うます。個人的には、東京建物や大京といった会社が出て来なかったのが意外でした。

ご覧いただきありがとうございました。




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