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選挙期間中に◯◯した候補者がいた。みなさん、どう思いますか?

統一地方選が終わって2週間が経った。今回、私自身は立候補していなかったが、全国各地で「#選択肢をふやそう」という理念のもとに立候補した仲間たちを応援するため、東奔西走していた。

なかでも力を入れて応援していたのが、私が昨年12月から主催していた「未来をつくる政治塾」に一期生として参加してくれていた。富山あゆみさんだ。

富山さんは、歯科医を目指す学生として勉学に励んでいたある日、事故に遭い、4ヶ月もの間、生死の境をさまよった。医師からは「意識を取り戻すことはないかもしれない」「二度としゃべることはできないかもしれない」と言われたなかから奇跡の復活を遂げ、復学を果たし、見事に歯科医師の免許を取得した。

しかし、右腕がまったく動かなくなり、左足の一部が欠損し、複数の内部障害を抱えた状態では臨床医として活動することは難しく、彼女は厚労省の医系技官として働くことになった。だが、昨年12月、その厚労省を辞めてしまった。「政治の世界にチャレンジする」というのだ。

彼女は「ある瞬間、ある出来事かは、『はい、あなたの人生は外れです」となる社会を変えていきたい、どんな境遇の人でも平等なチャンスが与えられるよう、選択肢のある社会をつくりたい」と言います。その境遇、その根性、そしてその理念を聞かされれば、応援しないわけにもいかない。

昨年、私の参院選へのチャレンジを応援してくれた「チーム乙武」のメンバーが中心となって「チーム富山」を結成し、この2ヶ月、寒い日も雨の日も本人やサポートメンバーたちが声を枯らして想いを訴えて続けてきた。その甲斐あって、今回の千代田区議選において13位で当選することができた。

正直、これは快挙であると思っている。富山さん自身の“候補者力”は非常に高かった。とはいえ、どこの政党にも属さない完全無所属の新人。大阪出身なので、千代田区との地縁は大学以降しかない。いわゆる選挙における“三バン”(地盤、看板、鞄)のひとつもないなかで、中位当選を果たしたのだ。

富山さん自身の頑張りはもちろんだが、昼夜にわたって彼女を支え続けた仲間たちの存在がなければ、また違った結果になっていたことだろう。

私は昨年の参院選でこう言い続けてきた。

「私たち一人ひとりの存在は、微力かもしれないけど、無力ではない。無力とはゼロだ。ゼロは何回足してもゼロのままだけど、0.1なら10回足せば1になる。100回足せば10になる。『どうせ私たちは無力だ』とあきらめてしまったら何も変えられない。でも、微力である私たちが束になって、努力を積み重ねていけばいつか変えられる日が来るかもしれない」

その「いつか」が、まさか一年も経たないうちにやってくるとは思ってもみなかった。私が信頼する仲間たちは、たしかに一人ひとりは微力だが、そんな彼らがひとつになって、ついに千代田区議会に候補者を送り出してしまった。政治を動かしてしまった。これは、とてつもなく快挙であるし、はてしない希望であると思う。

ほかにも、今回の統一地方選では杉並区や武蔵野市で女性議員の比率が過半数を超えたり、芦屋市では26歳の市長が誕生したりと、新時代の到来を予感させるようなポジティブなニュースが目立ったように思う。

今回、私が仲間たちを応援するにあたってひとつ決めごとをしていたのは、「無所属候補に限定する」ということ。もちろん、政党から立候補している候補者のなかにも友人がいたり、個人的に応援したいと思う人がいたりもしたのだが、どうしても政党からの立候補者を応援してしまうと色がついてしまい、私がほかで応援している候補者や、また「チーム乙武」てして動いてくれている仲間たちにも迷惑がかかる可能性が出てきてしまうためだ。

そのため、政党からの立候補者に関しては「応援」も「批判」もしないというスタンスを貫いてきたが、選挙が終わって2週間が経とうとしているので、そろそろ解禁させてもらうことにする。

今回の選挙期間中、ある候補者が前代未聞の“とんでもないこと”をしでかした。このことは社会的にどれくらい知られているのだろうか。そして、このことを知ったとき、みなさんはどのような反応を示すのだろうか。

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