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2日限りのレストラン、コンセプトは「塩尻を喰らう」

ぼくがマーケティングコミュニケーションをしている、三軒茶屋の民間アンテナショップ、信州セレクトショップサラダ街道にて2日間限定のポップアップレストランを開催。(もちろん飲食店の許可は取得済み)
ゲストシェフとして招いたのは山崎真人さん。
ぼくの10コ下の若手シェフだけれど、世界中を武者修行して歩いているというちょっと変わったお方。(褒めてます)

山崎さんにお願いしたテーマは信州の食材とワイン

山崎さんと一緒に長野県塩尻市に行って、生産者さんやワイナリーを巡ってメニューと組み合わせるお酒を考えていただいた。

驚きと楽しさに溢れた素晴らしいコースだった。

1品目: 塩尻アミューズ

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黒くて長細いのはセミドライキュウリ黒にんにくパウダー。一見すると何だか分からないのが楽しい。いただいてみると最初に香るのはにんにく、一瞬間があって凝縮したキュウリの香り。元々すごく良いキュウリなのだけれど、セミドライにしているからなのか、青臭さは全く感じない。
手前の緑と赤は2色のピーマンのミルフィーユ。一口でパクリ。香りも味もピーマンなのに果実感。
赤いのはネギの紫大根包み。紫大根の中にはマリネしたネギ。
マリネしたネギと紫大根の食感のコントラストが面白い。ネギが甘い。
真ん中の四角いのは鹿の血を使ったフィナンシェ。上にかかっているのは削った生栗。濃厚で鼻血出そう。上の栗が後から香る。美味しい。

2品目:蜂の子のおやき

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信州の伝統食おやきがファンシーに飾られて登場。
上に乗っているのはマリネしたマリーゴールドとルッコラセルバチコの葉っぱ。セルバチコのペースト。
餡はカラメリゼしたクリームチーズと蜂の子。
カリッと焼いたおやきをかじるとクリームチーズの濃厚な餡。セルバチコとマリーゴールドの香りと苦味、最後に感じる微かな蜂蜜。
おやきがこうなるとは!

3品目:信州サーモン

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低温調理でじっくり火入れした信州サーモンと天然なめこの炭酸ソース。
上に乗っているのは細切りにしてパリパリに揚げた紫のじゃがいも、シャドークイーンとセルバチコの花。
パリパリをザクザク崩して混ぜていただく。丼感が楽しい。
なめこの香りとうま味に驚く。味が濃い。
信州サーモンの中に食感のコントラストとして洋梨(セニョール・デスペラン)が忍ばされていた。
洋梨と信州サーモンの相性が良いことにまた驚く。
木の器が香るのかと思っていたら、なんとユーカリオイルだった。
もちろんユーカリも塩尻産。

4品目:松茸

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松茸の土瓶蒸しのような一皿だけど、これも山崎流。
冬瓜を絞ったジュースで松茸を調理したという。
壁面にくっ付いている可愛い玉は、球状にくり抜いた冬瓜を柚子のクリームソースで接着したもの。
まずはシンプルにそのまま松茸の香りとうま味を楽しむ。
途中で柚子クリームソースを崩して味変。
球状の冬瓜と一緒にいただくと、まず感じるのは冬瓜の苦味、続いて柚子の香り、松茸と出汁のうま味があって余韻の長い松茸の香り。
敢えて柚子を削らずにクリームに入れることで、柚子の香りが立ち過ぎることが抑えられ、口の中で次々に重なってくる味や香りを楽しめるという仕掛け。
面白い。

5品目:鯉

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鱗ごと焼いた鯉に鯉のアラでとった出汁とパセリオイルのソース。
皮はパリパリ身はふわふわ。一般的に思われているような泥臭さはなく、あくまでも上品、ちょっと鯛っぽいかも。
アラでとった出汁ソースが美味い。
上に乗っているのは塩尻特産の大豆あやみどりをリゾット風に炊いたもの。ちょっと固めの食感をしっかり噛んでいただく感じ。
これもまた楽しい。

6品目:鹿

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鹿のシンタマのローストにカボチャのソースと鹿の骨髄。上には直火で焦がしたトレビスと生の落花生のスライス。
低温調理で提供される鹿は絶妙なレア加減。熟成肉のような柔らかさと凝縮されたうま味。良い鹿は臭くない。焦げたトレビスと一緒にいただくとまるで直火で焼いたような香り。カボチャで甘みを補完すると一気に味に深みが。
鹿の骨髄はフォアグラのように濃厚だけど、落花生のエグミがアクセントになって味が平にならないので、どんどん食べ進めてしまう。

7品目:蕎麦

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緑の可愛いふわふわはアスパラの若芽。その下には鹿のハツ、さらにその下に蕎麦ペースト。黒文字オイル。
全てをスプーンで掬っていただくと、鹿ハツのコリコリと蕎麦の香り。不思議な感覚。アスパラの若芽は少し後から香る。ちゃんとアスパラの香り。

8品目:デザート

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洋梨2種類(オーロラとバートレット)とプルーン2種類(くらしま早生とベイラー)、桃。
そして驚いたのは信州の郷土食、凍み餅(しみもち)で作られたセミフレッド。
すごく大雑把に言うなれば、凍み餅とはフリーズドライにした餅のこと。通常はお水やお湯で戻していただくのだけれど、まさか凍み餅をセミフレッドにしてしまうとは思わなかった。
セミフレッドなのに何となく米の香りがするのが面白い。
最後の最後まで楽しい一皿だった。

食べ終わって思った

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どのお皿、どのお料理も山崎さんの瑞々しい感性と若々しい感覚が存分に発揮され、塩尻の食材の可能性を広げてくれたように思う。
食材を提供してくださった塩尻の皆さんにも召し上がっていただきたいと思うので、近いうちに機会を作らねば!

塩尻の皆さん、山崎さん、おかげさまで美味しく楽しい食事になりました!
ごちそうさまでした!

#食 #グルメ #信州 #塩尻市 #サラダ街道 #山崎真人

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