友人の美智さんは、玄人はだしのスーパー料理人。
ただの料理好きとご本人は謙遜するが、どんなテーマであっても必ず10種類以上のお料理を作ることをマイルールにしているという。
名付けてチリアロハ食堂！

今回のチリアロハ食堂は、スイカを愛してやまない食べ友の大先輩、本出さんの誕生日にあわせて開催されたスイカ祭。
スイカ料理だけでなんと18品！
予想の遥か上を行く驚きの連続だった。

1品目：スイカとパプリカとアオサのムース

見た目も可愛い３色ムース。
上からスイカのジュレ、スイカとパプリカのムース、アオサのムース。
おっかなびっくりで３種を一気にすくって一口。
最初はスイカの香りとほのかな甘み。後からパプリカ、アオサ。
うむー。
この３つの食材がこんな風にまとまるとは。

２品目：夏野菜 スイカ ポルチーニ ゼリー

夏野菜がゴロゴロと入った涼やかなお料理。
口に入れた瞬間に広がるポルチーニの芳香。その後を追いかけて、鼻から抜けるように香るスイカ。
改めてジュレを見てみると、ジュレの中に細かく砕いたスイカのツブツブが。ジュレが先に口の中で溶けて、その後に残ったスイカが香るということかな？
面白い。

３品目：スイカのソムタム

青パパイヤの代わりにスイカの皮を使ってソムタムに。
可愛いスイカの色と裏腹にスパイシーな香り。
青パパイヤとはまた違うシャクシャクした歯ごたえが楽しい。
ピリ辛でビールが進む。

４品目：スイカ タコピクルス

真っ赤なスイカにフェンネルの緑が鮮やか。
まずはタコから。
絶妙な甘みと酸味！　
駄菓子屋さんの酢だこを遠くに感じるような……。
スイカとタコというまさかの組み合わせなのに、どこかの伝統料理だと言われて出されたとしても気がつかないほどの完成度。

５品目：スイカとエビの生春巻

透けて見える赤色は、果たしてスイカなのかエビなのか。
スイカジュースで作ったスイカソースをかけていただく。
スイカの柔らかい甘さとナンプラーはお互いをうまく引き立てる。
甘酸っぱいソースとエビが好相性。
オーロラソースやエビチリも甘みと酸味だもんなー。

６品目：スイカの皮の山椒煮込み

冬瓜の煮物のようにも見えるけれど、少しだけ赤色が残るスイカの皮が彩りのアクセント。
贅沢に使われた実山椒がよく香る。
冬瓜よりもしっかりした歯ごたえと優しいお出汁のあっさり味。

７品目：スイカの皮のスパイス炒め

カレーの香り！
聞けば、美智さん宅で育てられたカレープラントを使って、そこにクミンシードなどを加えて炒めたものだとのこと。
炒めてもパリパリの食感と個人的に大好きなカレー味がツボだった。

８品目：鱧のスイカ梅ジュレがけ

湯引きした鱧にかかるのは梅スイカジュレ！
スイカの甘味は酸味と合わせた時に、その奥ゆかしさが引き立つ気がする。
このスイカ梅ジュレも然り。

９品目：スイカとモッツァレラのサラダ

ここまで来ると、あらゆる料理にスイカが入っていることについて自然に受け入れらるようになってくる。
結構多めにスイカが入っているけれど、サラダとして破綻がなくまとまっているのは流石！
スイカをくり抜いた器が可愛い。

10品目：スイカ ガスパチョスープ

プチトマトのようにも見えるのはスイカを丸くくりぬいたもの。
トマト感は少なめ。ゆえにトマト独特の青臭さも無し。
後味に残るかすかな苦味が全体のバランスを整える。
こちらは甘夏の皮の塩漬けが入っているそうだ。
これもまた素晴らしい。

11品名：スイカカツ

見た目も香りも完全にトンカツなのに、割ってみると中からスイカ。
食べる前から既に楽しい。
一口目は、パルミジャーノの香りがたまらないミラノ風カツレツ。
二口目、いよいよスイカ。びっくり熱々でシャクシャクのスイカと豚の脂、カツの塩味が混ざる。
スイカは温めると甘味が飛ぶみたい。（正確には、温度が上がって甘味を感じにくくなるということかな？）
ちょっと不思議な野菜のフライ。

おまけ：エビの頭フライ

ピンボケごめんなさい。
生春巻きのエビちゃんの頭を使って、ささっと揚げてくれたスパイシーフライ。
これ、ビールにも日本酒にもあうヤツじゃないですかー

12品目：スイカのレモンクリームパスタ

見た目はサーモンクリームパスタ風なのに、どことなくイチゴのような甘酸っぱい香りが漂う。
クリームのまったりした口当たりとリングイネのぷりぷりが心地良い。コーンが良いアクセント。
レモンクリームの酸味、砂糖とも蜂蜜とも違うスイカの優しい甘み、そしてやっぱり、香りはなんとなくイチゴ風。
楽しい！

13品目：スイカとアナゴの麻辣炒め

華椒（中国山椒）たっぷりのピリ辛炒め。
スイカもこうしていただくと野菜としての側面が前に出てくる感じ。

14品目：スイカと豚味噌漬けステーキ

不思議なことに、なんとなくフローラルな香り。
豚の味噌漬けのはっきり塩味をスイカが上手に和らげてくれていて、これまた不思議な一体感。

15品目：スイカの三五八漬け

口直しにいただくお漬物もスイカ！

16品目：鮎のコンフィ スイカソース

今回の個人的一番はこのお料理。
鮎のキュウリソースならぬスイカソース。
スイカソースの甘みと鮎の肝の苦味の相性が抜群。
後から感じるキュウリのような鮎の青い香りとスイカの香りも良く合うみたい。
鮎はキュウリソースよりもスイカソースで食べるべきだと断言したい！

17品目：スイカチーズケーキ

お誕生日ケーキもスイカ！
見た目も味もチーズケーキなのに後味にスイカ。さっぱりした味の優しいデザート。
本出さん、お誕生日おめでとうございます！

18品目：スイカ

シメはカットスイカ。
俵形をした小玉のスイカで夢枕という種類らしい。
皮が薄くてびっくり。
シャキシャキの歯ごたえと優しい甘さ。

食べ終わって思った

今回が７回目だというスイカ祭。念願叶っての初参加。
毎度のことながら美智さんの想像力と腕前には感服！
美味しいお料理とお酒、楽しいおしゃべり。
笑いの絶えない楽しい一夜だった。
美智さん、今回もごちそうさまでした！

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