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自動運転レース始めました! (VML選手権シーズンα)

こんにちは、Virtual Motorsport Lab Inc.代表の山下です。
全然報告出来ていなかったのですが、自動運転レース大会を始めています。
今回はVML選手権の紹介と第1戦のレポートです!

(1) VML選手権シーズンαの概要

モータースポーツの最高峰であるF1と同じように、複数サーキット走行順位に応じた得点の合計で選手権ランキングを競う大会です。各サーキットに運営が準備する、開発課題が与えられて、その枠組みの中で各レースチーム (= 開発者) には、自動運転レーシングカーを開発していただきます。

自動運転レースという特徴もあり、参加者は自動車ソフトウェア開発を学びたい学生さんやITエンジニアの方が多いです。

VML選手権シーズンαは試験的な大会のため第3戦までの獲得ポイントで、選手権の順位が決まります。

レース結果による獲得ポイント
VML選手権のスケジュール*
(*最終戦のスケジュールは9月に変更になってます)

(2) 第1戦について

第1戦のサーキットはこんな感じです。選手権前には開発方法を説明する勉強会のセミナーがあるのですが、その際には楕円サーキットです。そのため選手権ではレベルがもう一段階上がっています。

個人的にはミニ四駆以外のサーキットを人生で初めて設計しました。
設計思想としてはセクター2は大回りならほぼ全開で通過できるので、最終コーナーを90度コーナーにすることで、全開走行とブレーキングの切り替えタイミングを難しくしたつもりです。
有名なF1サーキット設計者、ヘルマン・ティルケにも負けてないでしょう!

VML選手権のサーキットデータ


第1戦の開発課題は、経路計算とフィードバック制御です。経路計算では、下図のような経路と各ポジションでの速度域を設定していくことができます。ステアリングはLQR、車速はPID制御を使っています。

経路計画のプロット図

開発期間は約1か月ほどあり、その間に参加エンジニアは自動運転レーシングカーでラップタイムを縮めました。Gordonさんのツイートは面白かった、でも僕らのシステム側のバグですが、すいません・・・(苦笑)

そして上位3名の走行はこちらです!
上位3チームの走行比較動画です。みんなギリギリを攻めています。ライン取りや速度設定などに個性が出ていました。

優勝した8<6e4f6e65> (左上) は、2周目までのラップタイムを抑えて、3周目で最速ラップタイムをたたき出しました!

という訳で優勝は "8<6e4f6e65>"さんでした!おめでとうございます!

VML選手権Rd1 最終順位

(3) まとめ

第1戦のレポートを書きました。まだ試験的な運用なので人数は少ないですが、参加者は楽しんでもらえたようで良かったです!自動車のソフトウェアはPID制御のようなフィードバック制御を使っていることが本当に多いです。これは量産車でもレーシングカーでも同じです。そのため基本的な制御はとても大事だと個人的に思っています。

第2戦レポートも書く予定です。開発課題は強化学習になるので、もう少し、自動運転やAIな感じが出てきます。

最終戦である第3戦がそろそろ始まります。僕らはDiscordでコミュニティを作っており、セミナーや勉強会を開催しています。VML選手権の参加は任意です。
もしVML選手権に挑戦してみたい方、自動運転や自動車ソフトウェア開発を勉強してみたい方、コラボしてくれる企業様がいれば、ホームページより応募申請してもらえると嬉しいです !

自動運転とモータースポーツのテクノロジーについての記事を書きます! 未来に繋がるモータースポーツを創りたいです!