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ウルトラマンは今もワクワクさせてくれた

シン・ウルトラマン1回目、IMAXレーザーで見る

映画館で予告編を見た時から
シン・ウルトラマンの姿に確実に心を掴まれていた。
ようやく公開され全貌を見て、さらに魅了された。
確かに、シン・ゴジラと比べればいろんな意見があるのはわかるが、
初代ウルトマン放映時に真正面から衝撃を受けた世代にとっては、
ウルトラマンの一挙手一投足には、やはり釘付けになってしまった。
あの、変身して右手を突き上げたウルトラマンが
画面奥からこちらに迫ってくる場面は、
幼い頃の気持ちが瞬時に甦ってきて
今も冷静な気持ちではいられなくなる。
「あれが、ウルトラマン」
という長澤まさみのセリフの場面では、
完全に自分もその場所にいる気分になった。

なぜか、20代になった娘がそんなに入れ込んでいたわけでもないのに
珍しく見たいというので一緒に見に行くことになったわけだが、
期せずしていいイベントとなった。
直撃を受けた世代としては、
ウルトラマンについて猛烈に語りたい気持ちをグッと抑えつつ。
見終わって「普通に面白かった」
というある程度予想していた答えであったが、まあ、それで充分。
『私にとっては「プリキュア」みたいなもんかな』と言っていたが、
もしかしたら数十年後、
娘の世代の庵野秀明みたいな天才が
「シン・プリキュア」というのを創ってくれるかもしれない。

それにしても、庵野秀明と樋口真嗣、両氏の仕事は素晴らしい。
日本中の誰よりも詳しいマニアによる創作は説得力がある。
ディテールにとことんこだわりながらも客観的な視点もしっかりとあり、
何より登場人物の背景やドラマを一切描かないところが潔い。
失礼な言い方だが、
オタクパワーの正しい使い方の一つを見せつけられた思いだ。

庵野秀明セレクション『ウルトラマン』4K特別上映を見る

ウルトラマン関連のネット記事を眺めている中で、
庵野秀明監督がセレクトしたかつてテレビで放送された
「初代ウルトラマン」の中の4エピソードを4K映像で特別上映する
という記事を目にした。
庵野監督自ら4作品を選んだ理由も丁寧に書かれていて、
すっかりウルトラマン懐古モードに入っていたし、
期間限定という言葉に惹かれ、さっそく見に行った。
案の定、館内は同じような考えの同世代ばかりだった。

大人になって改めて冷静な目で見たわけだが、
まず、作りの雑さに驚く。
乱暴な編集、チープなセット、ありきたりのギャグ。
今となっては考えられないくらいの拙さだったが、
ある意味新鮮さを感じた。
それでも、最後の4話目「空の贈り物」というエピソードは
とても秀逸だった。
斬新な脚本構成や細かい画作り、
他のエピソードとは一線を画していた。
たとえば、
冒頭、「都会ではいろんなものが空から降ってくる」
というナレーションと共に、
隕石やビルから飛び降りる人を
何のフォローなくあっさりと描いていたり、
隊員の1人が出先で雨に降られると、
戦闘用のジェット機で傘を届けに来て、
空から落とすという場面があり、忘れ度肝を抜かれた。
ちなみに、監督は実相寺昭雄、脚本は佐々木守。
この回の特筆すべき場面は何と言っても
ハヤタ隊員が変身するときに、
ボールペンの形をした「ベータカプセル」と間違えて
スプーンをかざしてしまい、慌てて持ち直すという場面があるのだが、
それも直前に脈略もなく
カレーを食べているシーンが数秒だけ強引に入ってくる。
そんな雑な振り方が気になって仕方なかった。

しかし、この間違えてスプーンをかざしてしまうシーン、
放送されたのが50年以上前だが、
なぜかこの異色なシーンをハッキリと覚えていた。
おそらく、
そういう小さなギャグが挟み込まれたシーンが
好きな子供だったのだろうと、我ながら振り返って実感する。

2回目、4Dで見る

その後もウルトラマン熱が収まらず、一ヶ月経って2回目を見に行く。
どうせならと、ほぼ初体験の4Dシアターで初体験する。
座席が揺れたり、風や水が飛んでくるというのは聞いていたが、
始まってすぐに後悔する。
というか、上映時間ギリギリに到着して急いでチケットを買おうとして、
その時初めて料金が3100円というのに一瞬手が止まったところから
すでに後悔は始まっていた。

開始早々、画面の中に合わせて
振動や衝撃がシートにダイレクトに伝わってくるのだが、
しばらく経っても邪魔で仕方なくなかなか集中出来なかった。
さらに、これはTwitterでもこのように呟いた事だが、


どうせなら、ウルトラマンの視点に沿った
座席の揺れや衝撃や、風の吹きつけにしてほしかった。
そこまでの装置を作るのは大変だとは思うが、
4Dなら尚更没入感が大切だと思う。

公開されてから一ヶ月間、
生活の何割かウルトラマンに占められていたわけだが、
映画を観に行ってワクワクするというあの感じは、やはりたまらない。
勢い余ってこんなものも買った。

もしかしたらまた見に行くかもしれない。
次の「シン・仮面ライダー」も楽しみだ。



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