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私の志集②

その後、大学を卒業して社会人になり、10年ほど経ってから、1年間、研修のために東京に住むことになりました。

2004年頃になります。(今現在、2023年からだと19年前になります)

東大和市という町に住んでいたのですが、その町は新宿と電車が繋がっているので、どうしても新宿に行くことが多くなりました。

その日は、同じ研修を受けていた友人と新宿で飲んでいたのですが、ふと、「私の志集」のことを思い出しました。

「新宿駅の西口、小田急ハルクのあたりにね・・・」と大学生の時の不思議な体験を友人に話したところ、「東京に住んでいても聞いたことも見たことも無いね。見に行ってみる?」と前向きな意見が出てきたので、ちょっとお酒に酔っていたこともあり、勢いで一緒に行ってみることにしました。

大学4年の1993年からは、11年の月日が経っています。

当時の記憶を思い出しつつ、新宿駅西口にある、あの柱に向かって歩いていきました。

程なく到着すると、11年前とまったく同じ風景がありました。全体的に黒い服装で、小柄な女性が「私の志集 300円」と書いたボードを持って、まっすぐ前を見つめて立っていました。

「あれ?女の人が当時と変わっていない!」

同一人物であることは当然ながら、年齢も変わっていないように見えます。

頭の中で11年前の記憶と照らし合わせて、少し混乱したのを覚えています。

その女性の方と目が合ってしまい、私は思わず立ち止まってしまいましたが、友人に促され、その時はその場を立ち去りました。


この時は本当に驚きました。かなりドキドキしたというか、ちょっと不思議なドラマの中に入り込んだような気がしました。

今にして思えば、エッセイとか小説の題材に使えそうでしたね。


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