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わたしが体験してほしい広島のまち

 私が住む広島市は原爆が投下されたことから世界的な知名度が高く、原爆ドームや平和公園といった平和のシンボルが各所に点在する平和の象徴的な場所として知られる。

 外国人による日本の都市の知名度としては「東京」「京都」に並ぶほど高いと言われるが、日本最大の都市で政治と経済の中心地である東京、世界に誇る日本の伝統文化が残る京都と比べると広島市は大きく見劣りし、「平和の象徴」という知名度だけで他には何もないのが実状だ。

「広島は都会とも田舎とも呼べない中途半端なまちで面白さに欠けている。」

 子供の頃、私は広島のまちをこのように思っていた。

 大人になってからは「平和の象徴」という意味合いの大切さが理解できた。広島という都市が一面の焼け野原から現在の姿にまで復興した姿を世界の人々に見ていただくだけで、「人はどんな状況からも再び立ち直れる」という強いメッセージを伝えることができる稀有な場所といえるだろう。同じ被爆地である長崎とともに今後も存在感を発揮して、世界の平和に貢献する場所であり続けて欲しいと願う。
 
 このような平和の象徴以外では中途半端な広島市であるが、実は大人になって広島のまちの見方を大きく変えるできごとがあった。ひとつはスキーを覚えたこと、もうひとつは釣りを覚えたことだ。

 広島県は北部に中国山地を抱え冬には多くの雪が降る。雪が多い日本海側気候に属するエリアもあり数多くのスキー場が点在する。日本最南端の豪雪地帯を抱える広島県はスキー好適地であり、冬のスキー場には九州各地からも多くの人が訪れる。
 また、多くの綺麗な河川があり、南には瀬戸内の穏やかな海と島しょ部が広がる。山間部での渓流釣りから、都市河川でのルアー釣り、港湾でのファミリーフィッシング、島に渡ったり船を使ったりしての本格的な釣りまで楽しめる。極端に言えば、都心にある原爆ドームの隣の川でスズキが釣れるのが広島市だ。

 これらのスキー場や釣りスポットに都心からでも車を使えば1時間ほどで行ける広島市は、ウインタースポーツや釣りをする人にはたまらない絶好の場所だ。これは人口100万人を超える都市としては珍しく、ごく限定された趣味の人だけが対象になるが広島市民としては自慢したいポイントだ。
 
 本来、広島市の自慢できることであれば平和の象徴的な場所であることに加え、牡蠣やお好み焼きに代表されるご当地の食、熱狂的ファンのいる広島東洋カープなどが挙げられるだろう。広島市に住む者としてはそれらに加えて、戦後の焼け野原から、気軽に釣りやウインタースポーツが楽しめる平和なまちにまで立ち直った姿を見て、体験して、平和を実感して欲しい。


【コメント】
TR科目の「ことばと表現」の事前課題で提出したレポートになります。

内容的にはあまり面白いとは思えませんが、まえに投稿している「魚とのフェアな戦い」と合わせて89点でした。「言葉と表現」なので文章の書き方は及第点ということでしょうか。

この後、試験を受けましたがトータルで90点を越えたのでS評価になりました。

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