芸人という仕事をさせていただいておりますと満員電車に乗る事なんてほとんどありません。しかも私は基本的にバイク移動なのです。

ある日。
朝から雨でした。
なんかその日は久しぶりに満員電車に乗ってみよう！と言う気になりまして家から駅に向かいました。

ギチギチの満員電車に身体をねじ込ませ、荷物を足元に置き、扉が閉まりと僕の体はラジオ体操第一の「体を捻る運動」状態になりました。
捻りを元に戻そうにも僕の目の前にいる小太りの女性がつっかえて戻せません。

肩の角度を微妙に調整してせめて腕だけでも楽なポジションに戻そうと体を体を少しずつ動かそうとすると、小太り女性が近距離で僕を睨みつけます。
これは良くない状況です。
先方の勝手な思い込みで痴漢と間違えられた人の末路が頭をよぎります。
ましてや私のリュックの中には仕事道具のタイツが満載なのです。
これはあらぬ疑いが疑いを呼びとんでもない出口に向かう可能性があるぞ！と僕の第六感が警笛を鳴らしています。
僕は捻る運動をキープする事にしました。
そうだ、こんな時はケータイだ！
体を捻る運動中の腕の先のiphoneに目をやりました。

そこには煌々と光り輝く画面がありました。
いつもやってる
「今日はなんの日？ツイート(毎日何かしら制定されてる記念日にちなんだ事柄に絡めた私のタイツのネタを載せていく)」
です。
それが編集中だったのです。

やっちまってる！
朝っぱらから通勤途中の皆様に腕を高々と挙げ何を見せびらかしちまってるんだ。
僕は赤面しつつそっと画面を消しました。

朝から大変機嫌が悪そうな小太りの女性の舌打ちを聞きながらの満員電車での通勤は大変辛い旅でした。