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話すのが苦手なデザイナーがデザイン説明の時にする事前準備

デザイナーとしてお仕事をしていると要所でステークホルダーに対して説明をする機会が出てきますが、特に経営層などのビジネス領域の方に意図を伝えなければならないシーンでは「上手くいかなかったらこれまでチームが頑張って来たことが水の泡になるのでは…」と責任を感じて不安になりますよね。

私は人前で話したり説明したりするのが苦手なので、説明が必要な際には事前準備をするのですが、最近「説明が上手」とほめてもらえる事も増えてきて、だんだんと自信がつき始めてきたところです。
ふと「私がやっている事前準備は同じ苦手意識を持っている人には参考になるかも?」と思ったので、メモ程度に書き出してみようと思いました。

しっかり準備が出来れば「ここまでやったんだから、きっと上手くいく!」と不安による緊張をほぐす事が出来るので、事前準備に不安が残る方は一度試してみてください。


準備と言ってもやっている事はいたってシンプルです。
大きく分けると以下の二つになります。
この二つを納得がいくまで、時間の許す限り繰り返し何度もやります。

  1. 話す事を(箇条書きで良いので)テキストに書き出す

  2. 書き出したものに沿って人に説明してみる(声に出すのが大事)

話すことをテキストに書き出す

話す内容が頭の中で固まって来たらテキストに書き出す事で整理したり推敲ができるようになるので、話の構成を組み立て直したり、使うワードを相手が馴染みのある言葉に置き換えたりします。

話す内容自体はまとまっているけど、書き出したところでどのような話し運びをしたらうまく伝わるか分からない場合は、プレゼンテーションのフレームワークにはめられるものがないか探して試してみるのも一つの手です。

以下の二つは汎用的なので気がつくとよく使っている気がします。
対面のプレゼンテーションの時だけでなく、日々の運用でのちょっとしたデザイン提出の際にチャットやメールで一文添える時にもこの形を意識するとこちら側の意図が伝わりやすくなります。

TAPS

T : ToBe(あるべき姿)
A : AsIs(現状の姿)
P : Problem(現状の問題点)
S : Solution(解決策の提案)

例:
我々のプロダクトは本来であればユーザーのニーズに応えられている機能の提供ができていないといけませんが(ToBe:あるべき姿)、現状はサービスフローの途中で離脱するユーザーが多く価値を提供できていません(AsIs:現状の姿)。
分析結果を見るとプロダクトの操作性の悪さから使い続けることを諦めてしまうユーザーが多いことが汲み取れますので(Prublem:現状の問題点)、離脱が多く発生している箇所からまずはユーザビリティの改善に取り組むのが望ましいと考えます(Solution:解決策の提案)。

大きめの提案内容で対面でお話する時にはこの構成にあてはめて考える事が多い気がします。

PASONA

P : Ploblem(問題提起)
A : Affinity(親近感)
S : Solution(解決策の提示)
O : Offer(提案)
N : Narrow down(絞り込み)
A : Action(具体的な行動)

こちらはよくLPの構成にも使われているので馴染みが深いものです。

簡単な例だと

◯◯という事はありませんか?(Problem:問題提起)
忙しいとそこまで手が回らないですよね。(Affinity:親近感)
そんな時にはこれ!(Solution:解決策の提示)
お試しプランもご用意しています。(Offer:提案)
期間限定!(Narrow down:絞り込み)
今すぐお申し込みください!(Action:具体的な行動)

などがよく目にすると思います。

提案だけでなく具体的な施策の検討までしてあって、最適な選択肢をおすすめする時にこの形に近い構成で話をしている気がします。

書き出したものに沿って人に説明してみる

発話する事で頭の中身がアウトプットされて改めて耳からインプットされます。そうすることで「あ、この部分はしっかり話しておきたいのに話してみると案外サラッとしちゃうなー」とか「意外とダラダラしちゃうからこの部分をもう少し削ろうかな」とか、今まで気付けなかった違和感に気付けるきっかけになるので馬鹿に出来ないです。

相手は誰でもいいですし、大事なのは発話して耳からインプットする事なのでなんなら壁でもいいのですが、同じプロジェクトの仲間や先方の担当者など自分とステークホルダーの両方をよく知っていて有益な感想や意見をもらえる相手が捕まえられればそれが一番良いです。

本番に向けての心構え

対面でお話する場合、本番の際には「伝わるように」ではなく「伝えるんだ!」という前のめりなスタンスで話すのも大切です。
自信がなさそうに話をすると聞き手も話の内容を信じていいのか分からなくなりますし、聞く側は話を受け止めるためにも受動的な姿勢なので、こっち側がグイグイ行かないと届けられない!と思って伝えに行く姿勢で挑みましょう。

ひと通り話し終わった後は、相手の意見に耳を傾ける傾聴姿勢も大切です。
前回のnoteでも最後の方で紹介しましたが、オライリーから出ている「デザインの伝え方」にはデザイナーなりの耳の傾け方が具体的に出ていますし、この記事の内容よりも本格的で具体的な説明の方法がまとめられているので、もっとしっかり説明する力を身に付けたい人にはおすすめです。

プレゼンテーションのフレームワークは他にも色々あるのでご興味があれば調べてみて自分なりのやり方に取り入れてみても面白いかも知れません。
毎回色々工夫して事前準備に取り組んでいると、自分では気付かぬうちに上達して、周りからほめてもらえる機会がきっと増えて来て自信につながると思います。

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