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ミュシャ展に行ってきた

 先月の堀内誠一展に続き、ひろしま美術館のミュシャ展に行ってきた。前々からミュシャ展は行ってみたい美術展のひとつだったため、この企画展はとても楽しみにしていた。

 ミュシャといえばアール・ヌーヴォーを代表する画家だ。女性や植物をモチーフにした美しい曲線はミュシャの絵の最大の特徴だ。
 私がミュシャを好きなのはこのアール・ヌーヴォー様式のデザインに惹かれるからだ。繊細な曲線がロマンチックで、全力で装飾に振り切っている感じが好きだ。
 企画展にはミュシャの代表作である、女性をモチーフとしたポスターや挿絵の数々が展示されていて、アール・ヌーヴォーの世界観が凝縮されていた。

 企画展にはミュシャの生涯をまとめた年譜やプライベートの記録、そして若い頃に油彩画家として活躍していた頃の作品も展示されていた。
 驚いたのはミュシャはそもそも王道の油彩画家を志していたことだ。生計を立てるために雑誌の挿絵やポスターを描く仕事に就いたらしい。しかもミュシャ本人としてはポスター画家として大成功した後も、王道の油彩画家として歩みたいと考えていたそうだ。この事実は衝撃だった。
 こういう作家自身の人となりや価値観を知ることができるのも、個展の醍醐味だと思う。作家の生き方を知ってから見る作品は見方が変わってきて面白い。作品の解釈がより深いものになる。なんというか、作品の解像度が上がるのだ。教養が人生を豊かにするというのはきっとこういうことなのだろう。

ひろしま美術館ではおなじみの黒猫とミュシャ展の案内

 今回もミュージアムカフェ「カフェ・ジャルダン」に行ってきた。企画展コラボスイーツはつい毎回食べてしまう。
 今回はミュシャの代表作「ビザンティン風の頭部」をモチーフにしたチョコレートケーキだ。

「ビザンティン風の頭部」のチョコレートケーキ

 チョコレートとクリームの飾りはミュシャの作品でよく見られる装飾の図枠を彷彿とさせる。外側はチョコレートムース。中身はオレンジソース、その下にはチョコレートスポンジにザクザクのクッキー生地。ひとくちごとに味や食感が変わって楽しい。
 セットで頼んだコーヒーのカップが素敵でテンションが上がった。偶然だけれどコーヒーに外の緑が反射して、この素敵な空間丸ごと味わっているような気がした。

素敵なコーヒーカップ
中庭の緑を写して

 今回も図録を購入。家に帰ってから何度も読み返した。やっぱり図録は買って正解だと思う。
 そしてミュシャ展オリジナルのゴーフル缶も購入した。
 デザインは「ビザンティン風の頭部」の装飾皿をモチーフにしたもの。この丸い缶に合うミュシャの作品は、これ以外考えられないんじゃないかと思う。
 ミュシャはパッケージデザイナーとしても大成したアーティストだから、お菓子缶にも自然になじむのだろう。200年近く経った今でもそのデザインの魅力は色あせていない。

風月堂のゴーフル ミュシャ展仕様

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