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彼女とコロナとチョコパイ

4月の終わりから今日まで2週間ほど彼女がうちに泊まっていた。

コロナウイルスで世界中が騒がしい中僕らは8畳1Kの部屋で共同生活を始まった。ただ付き合って1年以上になるのだが、ここまで長く生活を共にすることは初めてだったこともあり、漠然とした不安も抱えつつの生活だった。

僕はテレワークで仕事を行い、絶賛就活中の彼女は家で面接をしたりエントリーシートを書いたりしていた。時には同時間帯に僕がお客さんと会議、彼女は面接をすることになり、彼女がキッチンなどがある通路に座って面接をするという珍事件まで起こった。

僕が一人暮らしが長いということもあり、食事に関しては僕が担当した。僕は彼女を甘やかすことが大得意なので、彼女の好きなお寿司やチョコを山ほど買って帰ったり、唐揚げやハンバーグを作ってあげた。彼女は何か食べるたびに「本当に美味しい‥‥」というので、僕も嬉しくなってさらにチョコのスイーツを買って帰ったりして甘やかしてしまった。

彼女も僕にスイーツを作ってくれたりした。板チョコをパイシートで包んでチョコパイにしたり、お得意のガトーショコラを作ってくれたりした。そのどれもが美味しくて、見事にチノパンがキツくなってきた。

ただ別れは来るもので今日彼女は実家へ帰っていった。

昨日の夜から別れるのが辛く、この2週間の思い出を話しながら2人で泣いていた。不安症な僕が何度も「この2週間楽しかった?」と聞くと彼女はめんどくさがらずに何度も頷いた。彼女が流す涙を何回も拭いてあげた。

寝たら朝が来ると、別れが来ると彼女はさらに泣いた。

世の中が落ち着いたらいろんな所へ旅行しよう。

世の中が落ち着いたらもっと美味しいもの食べに行こう。

そんな未来に目を向けて2人で何時間も話しながら眠りについた。

付き合い始めてから1年3ヶ月以上が経つが、ここまで日々を共にしたことでさらに彼女への愛が溢れてきた。

彼女の好きなところはこんな時代、こんな状況でも幸せな未来を共に明確に描けるところかもしれない。

次あったら彼女の作ったチョコパイが食べたい。


Twitter:@masa_note8

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