ちゃんとできないときのジャズ
締め切り間近な仕事が終わらない。ご飯を作る気力がない。そんな「ちゃんとできない」局面で、わたしはたいていジャズを聴く。
ジャズは揺れたり、伸び縮みしたりする。ある程度楽譜が決まってはいるけれど、それでもクラシック音楽などに比べるとかなり演奏の自由度は高いと思う。
昔入っていたオーケストラで、指導者の一人が「あんな音価(音の長さ)に対する意識の無いようなものは音楽でない」と言っていた。わたしはその指導者の背中にむかってあかんべえするような生徒だったので、ジャズを聴くのは彼に対する反発心からだというのも否めない。
けれど、のびやかにswingするジャズの後ろにはいつだってビリリとした緊張感がある。余裕そうに、気だるそうに聞こえる音楽の裏側に、背骨の立ちあがるような何かを見つける。
ちゃんとできなくてジャズを聴くとき、ほんとうは誰よりもしゃんと格好良くいたいのかもしれない。
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