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わたしと大森靖子さん

 音楽が好きで、色々聴きます。一番最初に買ってもらったCDはモーニング娘。のベストアルバム。自分のお金で初めて買ったのはアジカンの「ブルートレイン」。アジカンやスピッツ、oasisにハマるちょっと早熟な小学校高学年を過ごし、戸川純や平沢進やPhewや大槻ケンヂに中学生という一番危ない時期に出会いハマり、高校生になると岡村靖幸や頭脳警察を聴いていた。大学時代はblurや赤痢や野坂昭如。ちなみにニコ厨だったので中学から高校の音楽試聴歴にボカロは外せない。
 そんな中で私が大森靖子の音楽に出会ったのは高校3年生。YouTubeで「魔法が使えないなら」のMVが公開されたてで、新着にあったそのサムネをクリックしたのが始まり。大学受験を舐めきっていたし(それがのちのち自分を苦しめる笑)、その頃彼氏と性的な面で揉めていたし、それは保健室の先生やスクールカウンセラーを巻き込むことになっていたけど親には言えず、つまり堕落していた。病んでいた。将来なんてどうでも良かった。文章を書くのはいつでも好きだったから、それができれば後はよかった。
 その腐りきった精神に染み込んでくる大森さんの声。狂っても狂ってもちゃんとやれる。私は上記のように狂っていたけど、行けない大学がないくらいの成績ではなかったしクラスでは私をよく思わない人もいたけどそいつは大体他のクラスメイトからも多々嫌われているやつで、私には友達だっていたからたまの発狂がありながらもちゃんとやれていた。なんでちゃんとやれていたのか、分からない。不登校や心療内科通いになるくらい周りに異常を訴えることのできないまま狂うしかないのかと思っていながら毎日学校には通う。大抵の教師のことは嫌い(つまり少しは好きな先生もいた)。つまらん夜をやめられない私に飛び込んできた大森さん。すぐに好きになった。けど、その時は東北の芋い自称進学校の女子高生だし、バイト禁止で金ないし、いろんな音楽を聴いていたし、何より受験期だし、今みたいにファンクラブに入ってライブに行って、ということは出来なかった。

 そのまま時は大学時代に進む。センター試験でうまくいかなかった私は志望の大学には入れず、それでも合格した大学でなんとか好きな分野で行動して巻き返そうと東北いちばんの都市仙台にてSNSを活用しながら映画イベントの運営(ボランティア)をしたり、ものづくり系のイベントの冊子作りでインタビュアーや原稿を書いたり、高校時代に放送部の朗読部門で一応東北大会には出れたくらいの成績だったから地元のPR動画のナレーションを頼まれたり、友達の劇団に戯曲を書いたりといろいろ予定を詰め込んで忙しくしていた。
 そんな時、Mちゃんという女の子に出会い、仲良くなり、カラオケに行く。Mちゃんは、大森靖子の「マジックミラー」を歌う。大森さん久しぶりに聞くなあ。うん?この歌、すごくいいじゃん…。
 Mちゃんは所謂大森さんの古参ファンでファンクラブにも入っていた。マジックミラーめっちゃいい歌じゃん!あたしの有名は君の孤独のためにだけ光るよ。
 そこから私の大学生活は常時大森靖子の音楽とともにあった。アパートから大学までは結構歩くしその間ずっとウォークマンから大森さんが歌っている。絶対彼女、Over the party、あまい、PS、あたし天使の堪忍袋、呪いは水色あたりをしつこくしつこく聴いていた。アルバムだと「魔法が使えないなら死にたい」がすごく良い、でも優劣つけられないとか考えながら。
 2016年のTOKYO BLACK HOLEツアーで初現場。ファンクラブ会員のMちゃんの助けがあり初現場ながら最前ドセンで大森さんを見る。よく覚えている。るるむうの黒の衣装。ほんとに大森靖子っていたんだ。華奢な体からどう出てるのって思う声量。最初の歌は、ミッドナイト清純異性交遊。涙が出た。小さな女の子が、絶対彼女の「絶対女の子絶対女の子がいいな 絶対絶対絶対彼女」のフレーズを歌っていたのが本当に可愛かった。ちなみにこの記事の写真は、その際のライブ映像に映っていた私です笑

 社会人になっても大森靖子の音楽と共にいる。2018年から社会人になったから、ZOCが発足した年だ。大森さん、アイドルグループ作るんだ、楽しみがまた増えるなと思った。予想通りZOCは魅力的で、お騒がせで、でも嫌いになんてなれないグループ。
 2019年には秋田に来てくれましたね。目の前の女の子たちが、初現場なのかわくわくしていて、「ほんとに靖子ちゃんっているのかな?出てくるのかなあ?」と、言っていた。初現場じゃない自分も、ライブが始まる前はいつもそう思う。ハイコーフェスもゴマシオキッチンのライブも行けなかった私にとって、秋田のクラブスウィンドルに来てくれたのは本当にありがたかった。

 職場で嫌なことがあった次の日、当然職場には行きたくないけど行かなくちゃいけない。VOIDを聞いて自分を奮い立たせる。涙目で朝日が滲むし足も止まる。大森さんは耳元で歌うのをやめない。だから足がそのうち動き始めた。

 だらだらと、わたしと大森さんの音楽との関わりについて書いてきたけども、大森靖子の曲の魅力と言ったら歌詞にあると思う。もちろんメロディーも素敵だ。でも音楽的な知識はない。文学なら好きでよく触れたし現代文の成績なら学年1のときもあったから、言葉に関してはちょっとわかるという点で、魅力のひとつとして歌詞をあげたい。
 大森さんは積極的にその時代の言葉を歌詞に使う。めざましテレビの取材でその理由はお話しされていたのでここでは割愛させてもらうけど、その時代の空気やノリを的確に切り取り、歌詞にする能力がすごいと思う。
 あとは、誰も言葉にしてないけど分かる感覚をズバン!と歌詞にする能力。ちょうどTwitterで自分がそのことについて呟いていたので載せる。

「誰が奴隷よあざとさは恋を楽しんでるナルシズム」とか「大恋愛とかいらないだってブスになっちゃ意味がない」とか「抱きしめ合う時メイク崩れたくないし」とかすごい発明だなって思うんですウンウン 女性の表象の歴史に残るフレーズとしてすごい。大恋愛よりかわいさ、あざとさは男ウケじゃなくて自分ウケ、抱きしめられることよりメイクがちゃんとしてることの方が大事、強さや主体性を端的に表していてすごくいい(私の解釈が合ってるかは自信ない」

「人から貰ったお菓子で夕方を延長するのが好きだった」の感覚とかもよくぞこの短いフレーズに落とし込んでくれたと思う。靖子ちゃんの言語感覚は本当に信頼できるし、でも、靖子ちゃんがすごすぎて大森靖子言語圏に私はいます!と断言できはしないかも。この言語圏まじ綺麗やばいって外から見てる感じ

 本当に、上記のとおりです。

 これからも、応援し続けます。クリスマスイブの整う会、楽しみだな。初めて大森さんと接触するなあ。
 私、靖子ちゃんって多分呼べない。私の中ではずっと大森さん。なぜだか分からないけど。

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