お忙しいところ恐縮！
これは、『このテープもってないですか？』の考察記事という名の一個人の解釈です。

こちらの記事の続きです。
ネタバレしてます！

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◉『栄枯盛衰』もテーマの1つ？

・出演者の狂った会話や、胎児の心霊現象にばかり目が行きますが、違うテーマも隠されてるんじゃないかと感じました。

・やたらと番宣Tweetで「ノスタルジー」とか「過去と現在」「一本の線で繋ぐ」とかいう単語が出てくるのが気になる。

かつては『昭和の大スター』と持て囃された坂谷も、今や独り寂しくベッドに横たわる老人な訳で。

坂谷は『現在の衰退』を嘆いて『過去の栄光』を懐かしんでいる……？

・第三夜のいとうが「やっぱりね、スターだよね」「とっくに沈んだ太陽光の明かりを反射して、さも自分が明るいかのように見せかける術を持ってる」と言ってるのは……
→坂谷が自身では、もう光れない存在であること。
自ら光る恒星ではなく、月のように『太陽光の反射で光ってるように見せる星（＝スター）』になってしまったことを指すと思う。

井桁に「夜だからこそできる芸当」と言わしめてるのは、その『見せかけの光』自体も暗い場所でしか光れないくらい弱いってことなのかな〜

・テーマ曲の『video killed the radio star』も『栄枯盛衰』を表現している歌だしなぁ。

・あと、前にツイートしたんですが、投稿ビデオの『蝉の抜け殻』もメタファーかもしれない。

一応、生きてはいるものの、寝たきりで中身が空っぽな『抜け殻』のような存在の坂谷を隠喩している？

◉結局、どういうことか？

・うう～ん、「過去と現在を一本の線で繋ぐ」ってのが、目的なのかな。

・番宣コメントで、いとうせいこうが「一次元磁気」って言ってるけど「一次元」って簡単に言えば『線』のことでしょ。一本の線。

・老いた坂谷が過去を懐かしむ強い『ノスタルジー』を使って、現在と過去を一本の線で繋いだ？

・「ここは暗い場所だってのがわかってるんだろうな」の言葉が指す「ここ」とは『ミッパラ』スタジオのことだと思われる。

坂谷のスターの輝きが翳りを見せて今や暗い場所ってことかな。

・「排水溝から見てます！」の人のやつも、暗い排水溝と暗いスタジオが繋がってたのかも。

・第三夜のゲストは逆光でシルエットになっている。

つまり、ベビーカー（胎児）がいたほうが明るく、スタジオが暗い。　
明るい場所から暗いスタジオにゲストで来てくれたのだ。

・最後に上を見上げるのは、照明の明かりを見ているのか？

明るい方に向かって話しかけているということは、胎児たちは今は明るい場所にいるということ。

でも「もうすぐ」と言ってるから、まだ完全じゃない。
『このテープ』第三夜の最後が、”その時”なんだと思う。

・そして、何のために『過去と現在を繋いだ』のか、と言われると「暗闇の中を彷徨う胎児の霊が生まれ直してくるため」かなあ……？

今を時めく井桁の輝きに向かって、出てこようとしてるのかな、と。

「生まれてきたい胎児」と、「健康的で若い」「女性」って親和性高いよね……

◉ここで狂った連想ゲームを解読

・『ミッパラ第三夜』で認識の擦り合せしたシーンを「狂ったマジカルバナナ」と称した人は良いセンスしてると思う(笑)

・このシーン、音の響きを重要視しつつ、最大限に比喩的、抽象的に連想ゲームしてたんだろうなぁ。

ちゃんと意味があるっぽいので解読していきます。

・ここでポイントとなるのは【VHSビデオテープの形状】です。

手元に持ってる人のほうが少ないと思うのでイメージしにくいかもしれませんが……
稚拙ながらも、また図解をしたいと思います。フィーリングを感じ取って！

・VHSテープの外側を見ると透明な部分が２つありますよね。
これがたぶん《外の窓》。
・《外の窓に連なりながら回る蝶番》は、テープを巻き取る【軸】のことだと思います。

・ここで《蝶番》こんな感じ。
ぱっと見、本当に蝶々みたいな形してる(笑)
そして《蝶番》は《管》のなかに【軸】が入ってる構造で、【軸】を中心に【羽】の部分がくるくる動きます。《蝶々のたわやかにしなる輪》は巻き取ったテープの輪郭のことかな？

・次に《芒（のぎ）》
同じ漢字で【すすき】と読む方じゃなく、イネ科の植物にある針状の毛のこと。

これは【直線】を指し、転じて【ビデオのテープ部分】も表してると思います。だから《輪をなぞり続けた芒（のぎ）》は『くるくる巻き取られるビデオのテープ』を指すのかな？

・《芒（のぎ）に月、出鱈目の坊主が真っ黒に塗り潰した枯尾花》
ここで花札の『芒（ススキ）に月』を見てみましょう。

・『芒（ススキ）に月』は通称《坊主》。
元は左のように、山にススキが描かれていたものが、印刷技術の関係で、右のように《真っ黒に塗りつぶ》されたものが流通して、こんな通称がついたそうです。
・《枯尾花》は【枯れたススキ】のこと。
「幽霊の正体見たり枯尾花」ってあるから、意味深でもありますね。

・次に、この図を見てください。

なんとな〜く、この向きで見ると花札の《坊主》と似てませんか？
山にススキが何本も線を走らせてるところを、真っ黒に塗った《坊主》は、【テープを巻き取った層】を表してるのではないかしら。

・そしてもう一度《芒（のぎ）に月》に話は戻ります。
わざわざ読み方を変えているので、これは花札の『芒（ススキ）に月』のことを言っているのではない。
では、どういうことかというと……

《芒（のぎ）》＝【直線】
せいこうさんがコメントで言ってた【一次元】と繋がります。
【一次元】は【直線】です。
さらに言うなら点が移動して線になる。
『ミッパラ』の満月から、何か点のようなものが移動することを表現しているのでは？

・《全展望監視の円筒形》は【テレビ塔】かな〜
《円筒と管》……【テレビ塔】と【ブラウン管】？
・《消化管　胃袋以外が露出した両生類》はよくわからない。
けど《消化管》は《不随意筋》らしいです。
・《両生類のエラ呼吸のヒダでできた不随意筋としての双子年》
調べたところ《エラ》も《不随意筋》のようです。
エラにある鰓弓（さいきゅう）という部分が人間も胎生期に存在する……という話が関連ありそう。

あと、こじつけっぽいけどエラの画像（グロい）見ると《双子》の胎児っぽくも見える形してるわ……

・《双子年》は「テレビ放送開始69年」の【69】だと思います。
なるほど、双子ちゃんだったのね……

・《双子だけが生まれる年を誘拐する二片のガラス窓》
《双子だけが生まれる年》＝【テレビ放送開始69年】？
《二片のガラス窓》はここでは【VHSテープの窓】のことだろうから……
《誘拐する》ってことは「呪いのビデオテープで2022年を乗っ取るぜ！」みたいなことかな……

・《年のガラス窓の中　蝶番の内側》、《蝶番の裏側》は【VHSテープの中身】
・《裏側の窓から覗きこむ胎児の視線！》
これは、「ビデオテープの中に胎児の魂入ってますよ！」ってことでいいかしら？
やっぱり、呪いのビデオだな！

◉怪しさ満載の投稿ビデオについて

・暗くて、色味が薄くて、内容も気持ち悪いばっかの『ミッパラ』に寄せられた数々のビデオ投稿。

あれも、本来の『ミッパラ』放送時とは違うシロモノじゃないかと思った。

・最初は異様に”明るい”番組で「暗闇を照らして」胎児の霊を集め、段々と厄い投稿ビデオで番組を”暗く”して、一本の線で繋がった”現在”（明るい）に胎児を送り込む……とかいう意図はないですか？

・普通の過去映像だと思ってたニュース映像も、今となってはチョイスに意図を感じるな……

日本を縦断する高速道路開通は「一本の線」だし、大阪万博で有名なのは「太陽の塔」……パノプティコンの明るい中央塔が頭をよぎるな〜
山梨県の温泉は「温かい水」……羊水？
パクパクしてた鯉だって「エラ呼吸」の生き物だもんねぇ。

◉「過去と現在をノスタルジーで正常化」とは？

・番組公式のツイートの「過去と現在をノスタルジーで正常化する営みに寄与して頂ければと思います。」の意味は、たくさんの人に見てもらうことで、ビデオ上の『改変された過去』を現実で『本当にあったこと』だと認識してもらって『正常化』するのが目的……？

・多数が本物だと信じれば、それが真実になる、みたいな。
ヤバいことに加担させられてるな……😨

・あっ、だから他の人が持ってる『ミッパラ』の『本当の映像』を集めようとして、このタイトル……？

没収して、なかったことにするため……

◎これにて考察終了

いや、長かった……
記事を最後まで読んでくださった方も、ありがとうございます🙇

鉄は熱いうちに打たないと、もう書けないと思って突っ走りました。疲れた。
でも、久しぶりにイマジネーションを最大発揮して色々考えられて、考察は面白かったです！

結局、オンボさんは何者で、どうしてこんな出来事が起きちゃったかは、わかりません。
梨さんの、ぶん投げ技だと思います。
たまたま条件が揃って、出来上がっちゃたのかな〜
まあ『意図的かどうかなんて後付けの理由にしかならない』んでしょう。

この作品、厄い雰囲気はプンプンしてるものの、不思議と”恨みつらみ”みたいなものは感じ取れなかったんですよね。
あれ、こう思ってるのは私もあちら側に行ってしまった証……？😅

ともあれ、考察は作品のオマケ！
最初に『このテープ』を見たときに、視聴者各々が強く感じた映像体験が、この番組の肝でしょうね。

すごい挑戦的で面白い番組でした！
来年も期待してます☺️