ドラマ『放送禁止7 〜ワケアリ人情食堂〜』の感想を書き綴る
これは今のところ『放送禁止』シリーズの最後の作品と言っていいのかな?
この回は公式で配信もDVD化もされてないようで……
面白いから配信してもいい気がするんだけどな~
今回はちょっと異色で、ストーリーテラーとして有田哲平さんが出演し『放送禁止』シリーズの読み解き方を易しく解説してくれてる感じでした。
最後にネタばらししてくれてます。
これまでのファンからすると『考察する楽しみが取られた!』と嫌がる人多いみたいですが😅
初心者の方にはちょうどいい塩梅かもしれないですね。
この回で『放送禁止』の面白さを知って他の話も観てください、ってことなんだろうと思いました。
個人的には、今回の話とても好きです。
話の展開に引き込まれるし、怪しいところを見つけてニヤニヤしたりできるし。
表面的には人情食堂のイイ話でしたよ!
ネタバレも込みで感想書いていきます。
◎あらすじ
◎ざっくり本編
・美味しい料理を提供し、悩み相談を受けてくれる名物女将がいる『答々食堂(とうとう しょくどう)』には日々たくさんの客が訪れる。
・『リストラされたサラリーマン』『離婚したい主婦』『ゲイのトラック運転手』等。
女将は相談者を思いやって心のこもったアドバイスをしていく。
帰っていく相談者の顔も心なし晴れやかだ。
・そしてこの店、東南アジア料理の品揃えが多い。
近くに工場があるということで『外国人留学生(という名の労働者)』のためにメニューを増やしたようだ。
実際、インドネシアから来た『グエン』は常連だ。
・女将のもとにやってきたフィリピン人の女性相談者『フェイ』。
日本人に騙され日本を憎むフィリピン人彼氏『ガブリエル』の様子に怯え、自分は殺されるかもしれないと相談に来たのだ。
女将は「しばらく、うちにいな」と店で匿うことを即決。
そして、彼氏のほうには女将自ら母国料理を差し入れに行くも、すげなく追い返される。
・相談者のその後の様子を撮るためか、数日後スタッフがフェイにインタビューをすると彼女はまだ怯えていて「ガブリエルは、一昨年アジアの富豪を殺した強盗犯かもしれない」と言い出す。
一方、ゲイのトラック運転手『トクさん』はグエンと親交を深め、新たな恋心を育んでいた。
応援してる素振りの女将。
・ある日、店でとんでもないトラブルが起こる。
フェイの彼氏が怒鳴り込んでやってきて「日本人や日本人の味方は殺す」と刃物を振り回して暴れたのだ。
その場は騒然としたものの、トクさんをはじめ、店内の客たちによって鎮圧されガブリエルは女将のビンタを浴び叱責される。
女将の熱い気持ちは伝わったのか……
ガブリエルは無言で店を後にした。
・カッとしやすい性質なんだと自分で語るトクさん。
しかしそのおかげでガブリエルを撃退できた。
「命の恩人だ」とグエンに感謝されたり、女将に褒められたりと満更でもない様子。
・傷害未遂を起こしたガブリエルだったが、女将は「彼は絶対に立ち直る!」と言って警察沙汰にはしない様子。
そして数日後、雪が降りしきる中で店をジッと見つめ立ち尽くすガブリエルの姿があるのだった……
・ガブリエルを警戒し、奥に隠れるフェイをインタビューすると、またも『殺されたアジアの富豪』の話をしてくる。
どうやら、かの富豪には残された家族と、優秀な3人の部下がいて、犯人を暗殺しようとしてるらしい。
フェイは、女将に迷惑をかけたくないと姿を消す。
・数日後、女将に呼び出されたスタッフは店の裏手に向かう。
そこには、トクさんとグエンがいて何やら大事な話をする様子。
トクさんは自分がゲイであることを明かし、グエンに告白をしたのだ。
しかし残念ながら断られ、トクさんの恋は儚く散った……
傷心のトクさんが来店し、何かを察した女将は撮影を止めるようスタッフに言う。
店の外から様子をうかがうと、男泣きしながら話を聞いてもらってるトクさんの姿が映るのだった。
・翌日、またも最悪な出来事が起こる。
店の常連であるグエンがトクさんによって殺害されたのだ。
交際を断られたものの諦めきれず来たトクさんを、グエンが口汚く罵ったためカッとなって首を絞めてしまったらしい。
・相談に乗ったり、よかれと思って色々やってきたが誰も救えず無力感を感じた女将は店を畳む決意をする。
・最後の営業をカメラに収めようとやって来たスタッフ。
ここで、意外な事実がもたらされる。
実は殺されたグエンは国際指名手配された殺人犯だったのだ。
つまりフェイがしきりに言っていた事件の犯人が、グエンだった。
・開店すると、最後の日と聞いて沢山の常連客が訪れ女将をびっくりさせる。
そしてその中にはかつての相談者もいて、その後うまくやっていることを伝えてくれた。
ガブリエルとフェイも連れ立ってやって来て、これまでの無礼を謝る。
女将に叩かれて目が覚めたこと、感謝していることを伝えると、自分のやってきたことは無意味じゃなかった、と喜びで涙する女将。
食堂の閉店を撤回し、また店を開くと約束した。
和気あいあいとする店内と名物女将、密着取材は最高のフィナーレを迎えた。
・……かに思えたが、このVTRは放送されることはなかった。
結局、食堂は閉店し関係者と連絡が取れなくなったからだ。
◆真相ネタバレ
例の『殺されたアジアの富豪』が日奈子ちゃんの親で、その犯人であるグエンに復讐するために『優秀な部下3人』を連れて日本まで追ってきた。
女将はその協力者っぽい。
表立って殺すのではなく『偶然を装って』殺すために、色々と考えて動いていた。
女将は暗殺に使えそうな人物、情報を集めるために「お悩み相談」をしていたと思われる。
今回、トクさんを利用して自分たちの手を汚すことなく復讐を完遂した。
目的は達成したので、店は閉めて国に帰ったのだろう。
◎ネタバレ感想
・毎回毎回、壁に貼られてる紙はダジャレとかでネタバレしてくれるんですけど今回はやや捻ってた部分もある?😅(壁のお品書きの頭文字は直接的なこと書いてあったけど)
「答えは2つ ANSWER TWO」と看板の「答々」は同じ意味ですね。
「あんさー つー」⇛「暗殺」
・最初のあたりは、わりと至って普通のドキュメンタリーで「相談者に何かが……?」とか壁の張り紙とか凝視してたんですが。
フィリピン人のくだりから「ん?」となる、わかりやすい違和感が出てきましたね。
・ガブリエルの一悶着が落ち着いたあと、台ふきんを叩きつける日奈子ちゃん……
最初、日奈子ちゃんがグエンに惚れてて、トクさんといい雰囲気なりそうで嫉妬でキレてるのかと思ってた。
違いましたね(笑)
あと一歩で目的達成できそうだったのに、邪魔されたから怒ってたのね~
・旦那役が3人入れ替わってるのは、はじめ気づかなかったわ〜😅
眼鏡と料理人服で同じ人に見えてた……
先入観ってこわい。
寡黙なのは、外国人だからあまり日本語聞き取れない、喋れないのかな〜とは思ってたけど。
あとよく見ると常連客に紛れて旦那役の人もいましたね。
外でも見張ってるのか、ところどころ映り込んでてこわい……
◎ちょっぴり考察
✣女将は最後どうなった?
考察サイトを巡ってると、よく目にするのが”女将は最後に日奈子たちによって消されたのではないか”説。
確かに、暗殺を成功させて、あとは母国に帰るだけだから事情を知る外部の人間はもう用済みなんだよね……
女将のインタビューの後ろで、旦那役と日奈子がコソコソ喋ってる様子も、”女将をどう片付けるかの相談”かもしれないと考えると、一気に不穏に見えてくる😨
『女将はあくまでも一時的な協力者で、日奈子たちは彼女を信用しきってない』というフィルターを通してドラマを観てみると……
とまあ、こんな感じなので暗殺のことがバレるのを防ぐために口封じはあり得るかも……
でも、私は違う説も提唱していきたいと思います!
思いついちゃったんで。
以下、妄想話です。
✣女将が『富豪の家族』だったパターン
ネタバレパートの最後に、流れる通話っぽい音声。
「これでやっと全部終わったよ……お母さん」と外国語で喋ってるのは日奈子?
腕組んで暗殺チームを統率してたっぽい日奈子のほうが、流れ的にはしっくりくるんだけど、私は声的に女将かと思ったんだよね……
ここで喋っているのが日奈子ではなく、女将だったら?
この線で考察していくと、また違ったストーリーが考えられるので、しばし私の妄想にお付き合い頂けると嬉しいです。
❁❁❁❁❁
日本で生まれ育ち、海外ボランティアとして活動していた『心さん』。
アジアの富豪に見初められ、結婚。
長らく海外で過ごしながら娘を立派に育て上げ、順風満帆。
……というところに舞い込む不幸。
夫が強盗犯に殺害されたのだ。
人望があり、皆から好かれる夫が殺されたなんて……!
悲しみの次にやってきたのは犯人への怒り。
残された家族や、夫の人柄に心酔していた優秀な部下たちは復讐を決意する。
強盗犯は日本に逃げ、グエンという偽名で外国人留学生として潜伏していることを突き止める。
ここで問題になるのは復讐方法。
自分たちの誰かが殺人者になるのを、優しい夫は悲しむのではないか?
そこで、回りくどい方法だが『偶然を装って犯人を殺す』ことにする。
自分たちも自然に日本に溶け込めるように、グエンが勤める工場近くに店を構える。
母親が日本人だったから日奈子も多少は日本語が話せる。
ややたどたどしいが、内向的な子を演じれば不自然でもないだろう。
部下たちは、自身の夫役として調理場に立ってもらう。
残った2人は客としてグエンに目を光らせる。
そして外国人向けの料理を取り揃え、グエンが常連になるよう仕向けていく。
暗殺に使える駒を増やすため、女将として「お悩み相談」を受けて、利用できそうなことを探していた。
番組取材を受けたのも、もっと周知して「お悩み相談」に来る人を増やすため。
日本に来て早2年。
ようやく遠回りな暗殺は成功した。
あとは自然を装って食堂を畳んで国に帰るだけだ。
ちょうど取材に来てたカメラに向かって、自分の力不足で意気消沈してるフリをアピールしておく。
傷心で店を畳んだと周囲は思ってくれるだろう。
店の最終日に、ガブリエルが来て想定外の感動的なシーンになってしまったが、盛り上がりに水をさすのも悪い。
最後だからと、リップサービスで「お店を続ける」と嘘を言ってしまった。
日奈子はびっくりしたかもしれない。
帰る前に、本国で待つ家族に連絡しておこう。
「これでやっと全部終わったよ……
お義母さん。」
夫の仇は取りました。
❁❁❁❁❁
……というような二次創作文が思いついちゃったんですよねー😅
ちなみに以下のポイントを繋げてストーリーにしてみました。
①日奈子の親は殺されたが『両親』とは言ってないので『母親』は存命してるかもしれないこと。
②電話で喋ってる言語が日本語ではないので『お母さん』は外国人の可能性が高いこと。
喋っている本人も、外国歴が長そう。
③女将の素性は「海外ボランティアをしていた」「2014年春から日本で食堂を始めた」ことしか分かってない。
苗字も出てこない。
日本文化と日本語に長けた外国人だった可能性もあるにはある。
『殺された富豪の姉か妹、親類』でもいけそう。
✣なぜ回りくどい暗殺方法だったのか?
上記の妄想二次創作(笑)にも書いてありますが……
日奈子たちは、富豪の縁者だけあって、お金はたくさんあるだろうから普通に暗殺者を雇ってグエンを殺しても良かったはず。
なのに、そうしなかったのは殺された『富豪』がそういったことを許さない人物だったからじゃないかと思ったんですよね。
人望があり、皆から慕われる素晴らしい人物……
だから『自然を装ってグエンが死ぬように仕向ける』のが最大の譲歩だったのかな〜、と。
だから、女将さんは『ただの日本人の協力者』だったとしても、日奈子たちに消されてはないはず!
人を雇っての殺人、自分たち自らの殺人は信念に反するから。
というふうに締めくくらせていただきます。
これ以上、怖いことは、何も、起こってナイ……はず……
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