見出し画像

長野

約5年半振りに長野に遊びに行った。約5年半前、夢の舞台だったネオンホールというライブハウスで、当時やっていたバンドでライブをやらせてもらったことがある。それ以来だ。それ以前も年に一、二回ネオンホールへライブを観に行っていたのだが、それからぱたりと長野へ行くことが途絶えてしまった。観に行きたいライブもあったんだけど予定が合わなかったりが続いて、それくらいの日にちが普通に流れてしまっていた。
今回はネオンホールへライブを観に行くという理由で長野へ行ったのではなく、彼女との休みが二日間重なったので、何処か一泊の旅行に行こうという話になったのが先週の土曜日だった。いくつか候補地が出たのだけれども、一緒に長野に行ったことがなかったし、ぼくも約5年半長野に行っていなかったので久しぶりに行きたかった。

13:00頃に長野駅に到着した。何かが変わっているような、何も変わっていないような曖昧な記憶と景色のなかを歩いて行った。まず最初に寄ったのはGOODTIMESという中古レコード屋さん。駅から歩いて5分以上10分未満といった距離感にあるお店で、長野にくるたびに寄る場所のひとつ。今回はヴァージンVSのカセットが揃っていたので保護した。

それからもう少し北上すると権堂のアーケードへ突き当たる。懐かしい。何かが変わっているような、何も変わっていないような曖昧な記憶と景色…いやけっこう変わってるぞと思いながら確かめるように歩いた。

権堂のアーケードのだいたい真ん中あたり
長野電鉄権堂駅近くからのアーケード。
写真右手にイトーヨーカドーがあったのだが、
いまではスーパーセンターという買い物施設に変わっている。


権堂のアーケードでいちばん景色が変わっていたのはなんといってもイトーヨーカドーがなくなっていたことだ。10年くらい前にはじめて権堂にきたときに「ここがあのイトーヨーカドーか…」と雪の降る寒い夜にイトーヨーカドーを見上げたことをいまでも覚えている。ネオンホールへ行く最大の理由がTheEndというシンガーソングライターのライブを観に行くことで、(ネオンホールの創設者の一人でもあるのだが…とTheEndの説明は今回は省く)TheEndの数ある名曲のなかのひとつが「イトーヨーカドーブルース」という曲で、ファンとしてはうれしいポイントのひとつだった。いまはスーパーセンターという嘘みたいな簡素な名称のスーパー(とホームセンター?)になっていた。

アーケードを越えて東へしばらく歩いていくとまる貞というお蕎麦屋さんがある。ここのお蕎麦屋さんに行くこともぼくのなかの長野のゴールデンコースのひとつ。一緒に長野に遊びに行った友人はみんな一緒に行ったことがあると思う。とにかく紹介したくなるお蕎麦屋さん。
店主さんがキノコ取りの名人で、だいたい最初にキノコの天ぷらか和え物のどちらかとキリンラガー大瓶を注文して飲む。あともう一、二品つまみを頼んで日本酒に切り替えて、最後にざるそばを頼んでずずずっと食べる。もう最高。久しぶりだなあとワクワクしながらお店の前まで行くも暖簾がなくなっていたから嫌な予感はしたんだけど、ダメ元でドアをあけるも「もう終わりだよー」と言われてしまった。この時点で13:45頃だった。想定していたよりも早い店じまいだったが仕方がない。ちらっと、店主さんたちの元気な姿が見れただけでもよかった。また今度くるときは、午前中に長野に到着するようにくれば余裕を持ってまる貞で蕎麦が食べられる。覚えておこう。

仕方ないな、と思いつつも蕎麦を食べられなかったことを引きずって歩いていたのだが、クラフトビール屋さんの看板が目について、とりあえずビール飲むか、と気持ちを切り替えてそのお店に入った。

Mallika Brewing
くりくりむえーる

超美味しかった。まる貞に入っていたらここのお店のビールと出会えなかっただろうから、ついてないことが起こればいいこともあるもんだと思った。能天気だ。長野から東京へ帰るとき、駅ビルのお土産コーナーにこのくりくりむえーるの瓶があったからつい2本買ってしまった。最高のクラフトビール屋さんだった。また行きたい。

そのあと善光寺へお参りしたあと、八幡屋でオリジナル七味を作り、セラーキタムラというワイン屋さんで記念にボトルを1本保護したりなどして善光寺あたりを満喫。

八幡屋のお姉さんにアドバイスを貰いながら調合してもらったオリジナル七味。オリジナルなので八味で十味でも言えばできたんだけど、やっぱりなんとなく七味にこだわりたかった。
セラーキタムラ。ワイン好きな人は行ってみてはいかがでしょう。ソムリエの店主さんに好きなタイプの味とか価格帯からいいワインを選んでくれた。


駅前のホテルにチェックイン。荷物をおろして夜の街に繰り出した。最初にふらっと入ったお店で馬刺しをつまみに安い燗をちびちび飲んだ。そのあとふらふらといい飲み屋さんはないかと探していたら気になる看板をみつけて二度見してしまった。

「牛丼?!」と二度見してしまった。外から中は見えないタイプのお店で、中がどうなっているのか、どれくらいのお客さんがいるのか、まったくわからない状態。だけど、うまく説明できないのだが、なんとなく“いいお店”なんだろうなと思った。一呼吸して意を決してガラガラと扉をあけて入った。

たくさんの年季の入ったミニカー。店主さんの趣味かしら。
BS寅さんがやっていた。メニューが書かれた(貼られた)ホワイトボードの左上に松井秀喜のサインがあった。巨人好きなのかな。

ストーブのにおいが懐かしい、居心地の良さそうなお店で安心した。ご夫妻でやられているお店だった。小上がりの座敷席に通された。
結論をいうと最高のお店を見つけてしまった。ウーロンハイがめちゃすすんだ。つまみも美味しかったし、とにかく安い。最後に〆で牛丼も頼んだ。美味しかった。こういうお店が近所にあったら最高だなー。また行きたい。というか、絶対行く。

最高の一日目が終わった。まる貞には行けなかったけど、はじめて入った殆どのお店がよかった。

二日目は、長野電鉄に乗って小布施に行ってきた。始発の長野駅から特急で30分かからないくらい。葛飾北斎の記念館がいちばんの目的だった。

2年前の夏にミッドタウンで開催された葛飾北斎展に行ってからライトな北斎ファンになり、長野にもゆかりがあることを長野に行く前日に知った。前日に飲んだクラフトビールで小布施栗という存在を知って、余計に小布施に行ってみたくなった。
観に行った時間帯が良くて殆ど誰もいなかったからゆっくり一つひとつ見ることができた。ゆっくり見て1時間かからないくらいの展示量。ミッドタウンの北斎展のときにもあったぼくの好きな作品もいくつかあって楽しかった。ミュージアムショップで変顔の手ぬぐいがあったので保護した。

楽しく見終えて館内を出るときにどこかの老人会御一行様と大学生くらいの男女の集団が一斉に入館していたのを見て、ほんとにタイミングがよかったと思った。展示はやっぱり広々と静かにゆっくりみるのが理想。

二日目のメインイベントはこれだけ。小布施の町をぶらぶらしてジェラートなどを食べつつ、長野駅に戻ってお土産屋さんを見てまわって帰ってきた。

とても楽しい旅でした。また近々長野に行きたい!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?