見出し画像

服の設計士hagyの「服の見どころ・腕の見せどころ」vol.36~シャツの製図~

ついに東京オリンピック始まりますね
ほんとここまでいろいろありましたけど
ほんとに始まるんだな!?って感じです

そういえば

画像1

これどうなったんですかね…

ま、そんなことは置いといて
今回はシャツの製図を簡単に紹介しようと思います
ちょっとパタンナー・服飾専門学校生以外の方は興味ないかもしれませんね(苦笑)

デザインはスタンダードな半袖シャツで

キャプチャ1

適当にサイズを決めます(メンズLサイズ)

キャプチャ2

こんな感じでやっていきます

まずはタテ線(着丈)をひいて、そこから直角線(バストライン)をこんな感じで引きます
バストライン上の脇の位置は、タックを除く1/2バスト寸法が、前と後の差が1cmになるようにします(前が1cm短い)
タック分量は適当に3.5cmにしてます
バストラインの位置も一般的なシャツの感じで27cmにしてます

キャプチャ3

次に後の衿ぐりをひきます
カーブはこんな感じで、CBと直角になるように。
SNPから後肩線をひきます
角度は10cmと3.5cmの三角形の辺になるように
肩幅/2の円をひいて、そこまで延長

キャプチャ3

次に前衿ぐりをひきます
CFの垂直線をひいてBNPから直角線をひきます
カーブはこんな感じで、2.5cmの平行線の中に納まる感じで
前肩線は後肩線をひっくり返せばOKです
前後の肩線を合わせたときに衿ぐりのラインがキレイにつながるように注意
注)衿ぐりの大きさはネック寸によって変わります。この数値はネック42cmだとこんな感じということです

キャプチャ3

次に背ヨークと後AH(アームホール)
背ヨークのラインはとりあえず10.5cmにしましたけど、
7cm~12cmくらいですかねぇ。
SPから1.5cmくらい入ったところへAHラインをひいて
つづきは0.6cmくらい下がったところから脇へ
この0.6cmはダーツ分量です(なくてもいいんですけど、あるほうが立体的になります)

キャプチャ3

次に前AH
肩線を合わせたときにキレイにつながるように
2.5cmくらい削る感じでひきます
前のヨーク線はSNP~2.5cmとSP~3.0cmの点を結びます(このへんはデザインなんで自由です)

キャプチャ3

前のヨークを前身頃から取り外して、後ヨークに合わせます
ウエストラインはバストラインから16cm下
裾線は底から9cm上で
それぞれ指示寸になるように調整します
ウエストは後のほうを少し多く削ってますが、前後対称でも大丈夫です

キャプチャ3

裾ヘムラインをひきます
前は1.5cm短くしてます
脇を合わせたときにキレイにつながるように注意
あとカーブがキツすぎると縫製のとき三つ巻できないので注意です
前立は巾3.0cmで
ボタンは上から5cm下から13cm、残りは均等に

キャプチャ3

身頃はこれで完成です
続いて袖へ
袖巾×2の水平線をひいて、両端から図の長さの円をひき、交点を結んで三角形を作ります

キャプチャ3

次に袖山をひきます
各点を通るように図のようなカーブ線をひきます

キャプチャ3

その後、袖山の線の長さをAHの長さと同じになるように微調整します
(パソコンじゃなくハンドだとこの作業は面倒くさいですね…)
カーブのイメージは後のほうが膨らむ感じで

キャプチャ3

SPから垂線を袖丈長ひきます
底から直角線をひきます
袖巾の両端から同じ分だけ削れるように袖口巾×2

キャプチャ3

袖はこれで完成です

次は衿
まず台衿から
前身頃から書き出していきます
衿ぐり長のカーブ線をひいていきます
台衿のカーブはこんな感じ、としか言いようがないんですよね…汗
取り出してCBを垂直に置いたときに、
SNPまではほぼ直角の直線で、そこからややカーブしていきます
下のカーブは前方で膨れるイメージで
CFの2.8cmは台衿CBが3.5cmなのでだいたいこのくらいかなって感じです
で、ボタンからCBまでの距離がネック寸/2になるように
ならない時は衿ぐりの長さを調整します(衿ぐりの幅を広げたり、深さを浅くしたり)
注)台衿の形はこれが正解というわけでもなく、服の雰囲気によって変わります。いろんなブランドの衿のパターンを抜きましたけど、ほんとに様々なんですよねぇ。

キャプチャ3

次に上衿を
台衿から書き出していきます
上側、カーブ線を徐々に離していき、最後に1.5cm離れるようにします(1.5cmも定寸ではなくケースバイケースです)
衿巾長の直角線をひきます
衿先を引いて端と端をつなげて完成です
注)衿先の角度もデザイン次第です

キャプチャ3

衿はこれで完成になります

最後にポケットを
ポケットもデザインなのでとりあえずこんな感じで
ポケット上辺は少しナナメにしました
着用すると、脇側が少し下に落ちるので

キャプチャ3

全体像はこんな感じで(ノッチ追加してます)

キャプチャ3

で、このパターンで組んだトワルが

画像19

画像20

画像21

画像22

画像23


以上になります
いやしかし製図方法をまとめるってほんとに大変ですね(汗)
まぁこのnoteを見てシャツのパターンがマスター出来るわけもなく
あくまで基礎の一部として参考にしてください
感覚的なところや曖昧なところも多かったですが
パターンはデザイン・サイズ寸が変わればすべて変わってくるので
このnoteを固定観念や固定寸として覚えることは危険です
自分自身もっと色んなこと考えて製図してますし、それをすべて書いてたら内容量がとんでもないことになります(苦笑)
なので参考として活用してください

それでは最後までご覧いただきありがとうございました

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?