第7話「価値と幻想」
まるで静かな宇宙のような闇の中で、
ゆめみは考えていた。
宙を漂う四つの病気や症状達を、
じっと見つめながら、
その解放の鍵が自分の中にあるのではないかと。
すると心の奥底から何かが湧き上がるのを感じた。
同時に足元の方向に何か物影が動き、
目を丸くした。
恐る恐るその方向へ意識を向ける。
そこにはネコが一匹。
まるで遥か古から来た僧侶の姿をしたネコが、
ゆめみのすぐそばに姿を現していたのだ。
そのネコ僧侶は、
神秘的な雰囲気をまとう存在であり、
きっと時空を超えて現れたに違