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苦悩

ビジネスパートナーとの会食というのはなかなかに気を使うもので
仕事の話ばかりしていると切羽詰まるし、話しの流れによってはこちらの都合の悪い話題になってしまいかねない。

本来、こちらの印象をあげつつも、相手に気持ちよく帰ってもらうはずの会食が、裏目にでるような事になっては本末転倒だ。

そういう意味で、実は会食をうまいことやり過ごすというのは大変な技術のいることだと感じている。

そんな背景もあって、会食によっては、関係者がみんな敬遠するので流れ流れて、僕のところまで話がやってくる場合がある。


「あお悪いんだけど、この会食いってくれない?」


そういう時はこう言っておこう。

「僕に、任せておいてください」

(意味:コンパすることでなんとかやり過ごします)


不思議なことなのだが、ビジネスパートナーとの会食であっても女性がいれば仕事の話をしなくて済むのだ。



===当日===
結局この日は女性を2人迎え、2-2の合計4人という少人数タイプの会食になった。
ということは、僕が盛り上げなくては、だれも盛り上げる人がいないのだ。
まさに背水の陣。
積極的にボケていくことで盛り上げていかなくてはならない。僕は焦っている。

〜着席〜

「「こんばんは」」
僕「今日、寒いですね」

女性「はい」

僕「仕事、予定通りの時間におわりましたか?」
女性「はい、むしろ早く終わって一回家帰っちゃいました」
僕「なるほどwそれで手荷物がないんですねw」
女性「そうなんですwコートに財布だけ入れて、手ぶらで来ちゃいました!すみません♡」

手ぶら?


僕「手ぶらっていうと、、あの、あの手ブラですか?この寒い中で?!」


女性「ハハ、ちがいますよwこんな時間からなに考えてるんですか?w 下ネタ早くない?!」


 

どうにか苦しみながらも一笑いつくることが出来た。



====30分後====
どんなに所属や境遇の違う人と出会ったとしても、
旅行の話はとりあえず皆興味を持てる話題なのではないかと考えている。
とりあえず話の場が持つので、安易とは思いつつも旅行の話題にしてしまう。

僕「女性さんは旅行とかいくんですか?」
女性「年末年始、行きましたよ!」
僕「えー!つい最近じゃないですか、どこ行ったんですか?」
女性「北海道です。年末年始、長期休暇だったじゃないですか、だから北海道までフェリーで行っちゃったんです♡」

フェリー?

僕「失礼ですが、フェリーで、、いっちゃったんですか?、フェリーで、、いく、ええぇえ、。」


女性「なんなんですか!いい加減にしてくださいw」


徐々に僕のポジションが下がっていくが仕方ない。


===2時間後===
会が進行して終盤になると、皆それぞれ自分が遠慮していた部分を解放していくことになる。

先輩も距離が縮まったことで遠慮する必要ないと感じたのか、タバコを手にとって、おもむろに吸い始めた。

女性も、特になにも言わない。

むしろ女性は、先輩が机に置いたライターを勝手に自分の手にとって、火をつけたり消したりして遊び出した。


僕は気になったので聞いた。

僕「あの失礼ですが、、、」

僕「これで会終わりますが、火遊びが足りないですか?
この後、こっそり火遊びをするという手もあります…!」



女性「最低ですね、もう帰ります」

代償は大きかったが先輩と仲良くなることが出来た。

fin.

#日記 #コラム #エッセイ

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